アランフェス古楽エディション
MUSICA ANTIGUA ARANJUEZ (Español)
マドリードから南へ約48km、かつてスペイン王家の保養地であり離宮も置かれた庭園の町アランフェス。「アランフェス古楽エディション」(Musica Antigua Aranjuez Ediciones: MAA Ediciones)は、世界遺産に指定されたこの町で1994年より開催されている「アランフェス古楽祭」に関連して制作を行うレーベルです。

MAA 001
ジャコモ・ファッコ(1676-1753):オペラ「スペインのアマゾネス」(1720)

イサベル・セラーノ&アントワーヌ・ラドレット(指揮)
マリア・ルス・アルバレス、ラケル・アンドゥエサ(ソプラノ)
ロス・ムシコス・デル・ブエン・レティーロ
イサベル・セラーノ、アントニオ・アンドゥエサ(ヴァイオリン)
マルシャル・モレイラス(ヴィオラ) フアン・ハイメ・ルイス(コントラバス)
エドゥアルド・マルティネス(チェンバロ)
フアン・カルロス・デ・ムルデル(ギター、テオルボ) アントワーヌ・ラドレット(チェロ)

ヴェネツィアに生まれ後半生をスペインで送った作曲家ファッコが、1720年スペインに渡りマドリードの王宮に仕えて早々に書き上げた2幕のオペラ。カスティーリャ語(マドリードを含むカスティーリャ地方の言語で、現在のスペイン標準語)で書かれた最初のイタリア式オペラであり、2004年のアランフェス古楽祭で蘇演されました。初演場所であるブエン・レティーロ宮の名を戴くグループによる演奏。


MAA 002
アランフェス暴動の時代の音楽
 ホアキン・タデオ・ムルギア(1759-1836):魂の船乗り
 フェルナンド・ソル(1778-1839):ラ・マンチャのセギディーリャ
 サルバドール・カストロ(17??-1770頃活躍-?):甘美なる横暴/ファンダンゴ
 フランシスコ・バルタール(?-1835頃活躍-?):アラゴンのセギディーリャ
 不詳:ボレロとカーニャによる二重唱
 フェルナンド・ソル:レクイエム・エテルナムのセギディーリャ
 不詳(ジプシーの歌):愛の言葉
 フェデリコ・モレッティ(1765-1838):舞踏会のボレロ/ティラーナ
 フェルナンド・ソル:女とギターの弦
 不詳:フェルナンド7世のセギディーリャ
 フェルナンド・ソル:アンダンテ・ラルゴ
 ブラス・デ・ラセルナ(1751-1816):トリプリ・トリパラ

フェリペ・サンチェス(指揮)
アクシビル・ゴイェスコ
 マリア・ルス・アルバレス(ソプラノ) セサル・カラソ(テノール)
 マルセリーノ・ガルシーア、カルロス・ガリーファ(ヴァイオリン)
 ハビエル・アギーレ(チェロ) マノーロ・ロドリゲス(フルート)
 マリア・ホセ・マルテーン(カスタネット) フェリペ・サンチェス(バロック・ギター)

録音:2004年6月24-27日、アランフェス王宮、演劇の間

「アランフェス暴動」とは、1808年、カルロス4世(在位1788-1808)の王妃マリア・ルイサの愛人としてスペイン国政の実権を握っていたナポレオン寄りの宰相マヌエル・デ・ゴドイの追放を求めた民衆蜂起で、これによりカルロス4世は退位しフェルナンド7世が即位、ゴドイは失脚。しかし収録されている音楽はのどかな雰囲気のものばかりで、いかにもスペイン的な舞曲のリズムに溢れています。


MAA 003
バロックの夜会 17世紀スペインの世俗音楽
 ガスパール・サンス(1640-1710)、
  フランシスコ・ゲラウ(17世紀中盤-18世紀初頭):Españoletas
 不詳:Vuestra belleza señora
 ホセ・マリーン(1618頃-1699):Ojos, pues me desdeñáis
 不詳:Jácara
 ホセ・マリーン:Apostemos niña que açierto/Sepan todos que muero
 不詳:Vuestros ojos tienen
 ガスパール・サンス、フランシスコ・ゲラウ、
  サンティアゴ・デ・ムルシア(1682頃-1732):Folías
 マテオ・ロメーロ(1557-1647):Romerico florido
 ホセ・マリン:Para las Indias de Clori
 不詳:Río de Sevilla
 フアン・イダルゴ(1612/14-1685):Ay que sí, ay que no/Esperar, sentir, morir
 ホセ・マリーン:Si quieres dar Marica en lo çierto

フェリペ・サンチェス(指揮)
アクシビル・カスティーソ
 セサル・カラソ(テノール) カルロス・ガリーファ(ヴァイオリン)
 フランシスコ・ルエンゴ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 アントニオ・マディガン(バロック・ギター、マンドーラ)
 フェリペ・サンチェス(バロック・ギター)

録音:2004年6月27-30日、アランフェス王宮、演劇の間


MAA 004
(2CD)
ルイジ・ボッケリーニ(1743-1805):
  6つの弦楽四重奏曲 Op.9
   第1番ハ短調 G.171,第2番ニ短調 G.172,第3番ヘ長調 G.173,
   第4番変ホ長調 G.174,第5番ニ長調 G.175,第6番ホ長調 G.176

アルタリア弦楽四重奏団
 アンソニー・マーティン、キャサリン・キーム、
 エリザベス・ブルーメンストック(ヴァイオリン、ヴィオラ)
 エリザベス・ル・グイン(チェロ)

録音:1995年、アメリカ合衆国、サンフランシスコ

アルタリア弦楽四重奏団は1985年に結成されたピリオド楽器アンサンブル。おそらくアランフェス古楽祭出演に際して当レーベルから発売されたものと思われます。


MAA 005
ホセ・デ・ネブラ(1702-1768):
  神秘劇からの情景「無言の悪魔」(1751)
  ミゼレーレ(二重唱のための)

ルイス・アントニオ・ゴンサーレス(指揮)
ロス・ムシコス・デ・ス・アルテサ
 ラケル・アンドゥエサ、オラーリャ・アレマーン(ソプラノ)
 エドゥアルド・フェノル、パブロ・プリエート、セルヒオ・フランコ、ジュアン・チック、
 パブロ・ガスタミンサ、フアン・ベルヌエス、ラケル・ソブリーノ(ヴァイオリン)
 ナタン・パルセル、フアン・ルイス・アルコス(ヴィオラ)
 ペドロ・レウーラ(チェロ) シャビエ・アストール(コントラバス)
 フランシスコ・J・ヒル(オーボエ) ヘスス・フェルナンデス(アーチリュート)
 アルフォンソ・セバスティアン(オルガン)

録音:2006年5月、アランフェス王宮礼拝堂

ホセ・デ・ネブラはアラゴン地方のカタラユーに生まれ、マドリードの王室礼拝堂首席オルガニストを務めたスペインの作曲家。鍵盤音楽のみならず、イタリア人音楽家全盛の宮廷音楽界にあって舞台音楽でも大成功を収めた後、王室の要請で典礼音楽主体の創作へ転向しました。


MAA 006
愛しき矢 ファリネッリ時代のロンドンにおけるソプラノとカストラート
 オペラ・アリア&デュエット集
 ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757):
  「ナルキッソス」から 愛の神(*/+),愛しき矢(+)
 トマス・ロージングレイヴ(1680-1766):
  「ナルキッソス」から 私は行き先を変える(*/+)
 ニコラ・ポルポラ(1686-1766):「ポリフェーモ」から 運命を聞け(*)
 ヨハン・アドルフ・ハッセ(1699-1783):「アルタクセルセス」から 青ざめた空(+)
 トマス・アーン(1710-1788):チェンバロ協奏曲第5番ト短調
 フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ(1690-1768):
  「アドリアーノ」から 受け取っておくれ、恋人よ(*/+)
 ヘンデル(1685-1759):
  「ロデリンダ」から 木蔭よ、木々よ(*),私はお前を抱きしめる(*/+),
  「ファラモンド」から 私は行き、生きる(*/+)
  「ロデリンダ」から 生きよ、暴君よ!(+)

ラ・テンペスタ[La Tempestad]
 オラーリャ・アレマーン(ソプラノ(*))
 シャビエ・サバータ(男性アルト(+))
 ギリェルモ・ペニャルベル(フラウト・トラヴェルソ)
 レオ・ロッシ、パブロ・プリエート(ヴァイオリン)
 アントニオ・クラーレス(ヴィオラ) メルセデス・ルイス(チェロ)
 ベントゥーラ・リコ(ヴィオローネ) シルビア・マルケス(チェンバロ)

録音:2006年6月19-21日、アランフェス王宮礼拝堂

映画にも取り上げられたカストラート、ファリネッリ(1705-1782)がロンドンで活躍した当時(1734-1737)のオペラ界を切り取ったような企画。バルセロナ県アビアの生まれのシャビエ・サバータは太め体型でスキンヘッドのカウンターテナー。


MAA 007
BC: 8437006389075
ホセ・カステル(1737-1807):サルスエラ「喜びの泉」(1776)

エリアナ・バヨン(ソプラノ:フアナ)
エウヘニア・エンギタ(ソプラノ:テレサ)
マリア・イノホサ(ソプラノ:パスクアラ)
ミゲル・ベルナル(テノール:セリオ)
フリオ・フェルナンデス(テノール:アントン)
フアン・ノバル=モロ(テノール:ドン・ナルシソ)
コンパニア・テアトロ・デル・プリンチペ
パブロ・エラス・カサド(指揮)

録音:2007年6月25-26日、アランフエス(スペイン)、王宮礼拝堂

スペイン独特のオペラ形式であるサルスエラには二つの隆盛期、バロック・サルスエラ(1630-1750)とロマンティック・サルスエラ(1850-1950)がありますが、カステルの「喜びの泉」(2幕構成)はバロック・サルスエラの隆盛に後に書かれた、「クラシック・サルスエラ」と称すべき作品。スペイン語による古典派オペラとして楽しめます。スペインの古楽祭ならでは演目ですが、スペインのピリオド楽器演奏レパートリーもここまで来たか、という感慨もひとしおです。


MAA 008
(2CD)
ボッケリーニ(1743-1805)/ラモン・デ・ラ・クルス(1731-1794)台本:
  サルスエラ「クレメンティナ」(オリジナル・スペイン語版;1786)

マリア・イノホサ
 (ソプラノ:クレメンティナ[ドン・クレメンテの娘として育てられた養女])
ソニア・デ・ムンク
 (ソプラノ:ナルシサ[ドン・クレメンテの実の娘、クレメンティナの妹])
マルタ・ロドリゴ(メゾソプラノ:ドニャ・ダミアナ[娘たちの家庭教師])
エレナ・リベラ(ソプラノ:クリスティナ[女中])
ダビド・アレグレト(テノール:ドン・ウルバノ[ポルトガルの貴族])
トニ・マルソル(バリトン:ドン・ラサロ[音楽教師])
アンドレス・アモロス(俳優:ドン・クレメンテ[マドリードの裕福な貴族])
ハビエル・オルティス(俳優:マルケス・デ・ラ・バリェスタ[地方貴族])
ラ・コンパニア・デル・プリンチペ・アランフエス
パブロ・エラス=カサド(指揮)

録音:2008年6月23-25日、アランフエス(スペイン)、王宮礼拝堂

イタリア語版のオペラ「クレメンティーナ」としても知られているボッケリーニのサルスエラの、オリジナル・スペイン語版による世界初録音。
ドン・ウルバノとクレメンティナ、マルケスとナルシサが恋仲になるが、ドン・クレメンテが実はクレメンティナは自分が引き取った孤児であることを告白。その成り行きを聞いたドン・ウルバノはクレンメンティナが死んだはずの妹であることを知り、結局ドン・ウルバノとナルシサ、マルケスとクレメンティナ、おまけにドン・ラサロとクリスティナが結ばれてハッピーエンドを迎えるという筋書きです。

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