フローラ
ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者でリチェルカール・コンソートの指揮者フィリップ・ピエルロが主宰するベルギーのレーベル。

FLORA 0102
(1CD)
廃盤
ハイドン
 バリトン、ヴィオラと低音楽器のための3声のディヴェルティメント集
  ハ長調 Hob.XI:101/イ長調 Hob.XI:66/ロ短調 Hob.XI:96/ト長調 Hob.XI:70
  ニ長調「エステルハージ公の誕生を祝して」Hob.XI:97

フィリップ・ピエルロ(バリトン)
フランソワ・フェルナンデス(ヴィオラ)
ライナー・ツィパーリング(チェロ)

録音:2001年12月、ベルギー、アルデンヌ、バス=ボデュー教会

ここでのバリトン(Baryton)は弓で奏する弦楽器で、ハンガリーのエステルハージ侯が好んだため、彼に仕えていたハイドンは この楽器のためのにたくさんの曲を書きました。レーベルの三枚看板が揃ったこの演奏は実に達者で、ディヴェルティメントらしい、 リラックスした楽しさにあふれています。


FLORA 0202
(2CD)
廃盤
J・S・バッハ
 無伴奏チェロ組曲
  第1番ト長調 BWV1007/第2番ニ短調 BWV1008/第3番ハ長調 BWV1009
  第4番辺ホ長調 BWV1010/第5番ハ短調 BWV1011/第6番ニ長調 BWV1012*

ライナー・ツィパーリング(チェロ)

録音:2002年8月、ベルギー、ブラ・シュ・リエンヌ
使用楽器:
 1786年、ヴィンツェンツォ・トルシアーノ・パノルモ製
 1750年、ルドヴィクス・グェルサン製5弦ピッコロ・チェロ*

アンナー・ビルスマにチェロを、ヴィーラント・クイケンにヴィオラ・ダ・ガンバを師事、18世紀オーケストラ、カメラータ・ケルン等 のメンバーを務めるツィパーリング。師匠ビルスマを思わせる大胆さもかいま見せる、みごとな演奏です。


FLORA 0302
(1CD)
廃盤
J・S・バッハ
 ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集
  ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV1023*
  ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロ・オブリガートのためのソナタ BWV1028
  チェンバロとヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ BWV1027
  ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロ・オブリガートのためのソナタ BWV1029

フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ケネス・ワイス(チェンバロ)
ライナー・ツィパーリング(ヴィオラ・ダ・ガンバ*

録音:2002年9月、ベルギー、ブラ・シュ・リエンヌ
使用楽器:1718年、バラク・ノーマン製

ヴィーラント・クイケンに師事、リチェルカール・アンサンブルのリーダーを務めるピエルロ。比較的穏やかな運びの中に旋律をしっか り歌わせた、優れた演奏です。共演者も巧み。BWV1023*はヴァイオリン・ソナタとして知られている曲。


FLORA 0402
(1CD)
廃盤
J・S・バッハ
 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ Vol.1
  ソナタ第1番ト短調 BWV1001
  パルティータ第1番ロ短調 BWV1002
  ソナタ第2番イ短調 BWV1003

フランソワ・フェルナンデス(ヴァイオリン)

録音:2002年6月、ベルギー、アルデンヌ、バス=ボデュー教会
使用楽器:1690年、アンドレア・グァルニエーリ製


FLORA 0403
(1CD)
廃盤
J・S・バッハ
 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ Vol.2
  パルティータ第2番ニ短調 BWV1004
  ソナタ第3番ハ長調 BWV1005
  パルティータ第3番ホ長調 BWV1006

フランソワ・フェルナンデス(ヴァイオリン)

録音:2002年6月、ベルギー、アルデンヌ、バス=ボデュー教会
使用楽器:1690年、アンドレア・グァルニエーリ製

シキスヴァルト・クイケンに師事し、クイケン・クァルテットの第2ヴァイオリニストやラ・プティト・バンドのコンサートマスターを務めてきたフェルナンデスの「無伴奏」。彼は全曲の表題("Sei Solo a Violino senza Basso accompagnato")の冒頭にある「Sei Solo」を「6つの独奏曲」ではなく「あなたは一人である」という意味でとらえ、このCDの制作を自分一人だけで行うことにこだわりました。録音場所である教会にヴァイオリンを携えて一人でこもり、テープを回しっぱなしにして演奏、録音。編集とブックレット制作の技術的な面以外すべて、自分の手だけでこの全曲CDを完成させたのです。
卓越した技巧と音楽性を備えながら、恩師クイケンの活動を「二番手」として支え、日本の古楽ファンにとっては同窓の寺神戸亮やエンリコ・ガッティよりも目立たない存在かもしれないフェルナンデス。そんな彼が満を持して「自分で作り」、「自分たちのレーベルから世に出す」バッハの「無伴奏」を、じっくりと味わってみたいものです。


FLORA 0503
(1CD)
ハイドンスコティッシュ・ソングズ
 ヨゼフ・ハイドン(1732-1809):
  バリトン、ヴィオラと低音楽器のための
   3声のディヴェルティメント(バリトン三重奏曲)ハ短調 Hob.XI:52
  スコットランド歌曲選集(1792)から(*)
   ホワイト・コッケード(白バラ)[The white cockade],
   メアリーの夢[Mary's dream],
   クッションを縫えるかい?[O can you sew cushions]
  バリトン、ヴィオラと低音楽器のための
   3声のディヴェルティメント(バリトン三重奏曲)イ長調 Hob.XI:87
  プロシアのフリードリヒ大王の死に寄せるドイツの嘆き
   (ピーター・ホルマン補筆完成)(*)
  バリトン、ヴィオラと低音楽器のための
   3声のディヴェルティメント(バリトン三重奏曲)ハ長調 Hob.XI:109
  スコットランド歌曲選集(1792)から(*)
   Fy gar rub her o'er wi' strae,O'er Bogie,
   朝早く起きて[Up in the morning early]

スーザン・ハミルトン(ソプラノ(*))
フィリップ・ピエルロ(バリトン[Baryton])
フランソワ・フェルナンデス(ヴィオラ)
ライナー・ツィパーリング(チェロ)

録音:2002年12月、ベルギー、ブラ=シュル=リエンヌ

フローラ・レーベルの三枚看板によるハイドン「バリトン三重奏曲集」の第2巻に当たるアルバム(前巻:FLORA 0102)。今回はスーザン・ハミルトンを迎え声楽作品を加えた構成となっています。
バリトンはヴィオラ・ダ・ガンバに似た楽器ですが、独特の構造として共鳴弦を持ち、それをネックの裏側から左手の親指でピツィカートで奏することができます。ハイドンが使えたエステルハージー侯ニコラウスがこの楽器を好んだため、ハイドンは1762年から1775年にかけて126曲にのぼるバリトン三重奏曲(ディヴェルティメント)を書きました。
「プロシアのフリードリヒ大王の死に寄せるドイツの嘆き」はソプラノ独唱と低音声部のみ現存している小カンタータ。フリードリヒ大王が亡くなったのが、エステルハージー侯がバリトンへの興味を失い、ハイドンがバリトン三重奏曲の作曲をやめてから10年以上経った1786年であることから、この作品をハイドンの真作としない研究者もいます。真の作曲者かもしれないとされているのは、ハイドンのもとでエステルハージー宮廷楽団のバリトン奏者を務めていたカール・フランツで、彼がハイドンの作品であると称した可能性があるとされています。
1791年から1804年まで、ハイドンは400を超えるスコットランドとウェールズの民謡を編曲しました。ここで演奏されているのは、ロンドンのウィリアム・ネイピアによって委嘱され出版された曲集から選ばれた歌曲。伴奏楽器の選択は演奏者の裁量に任せるとされており、ここでは譜面上のヴァイオリン・パートがバリトンまたはヴィオラで演奏されています。
古楽ファンにはおなじみのスーザン・ハミルトンはスコットランド生まれ。「スコットランド歌曲集」を歌うにはまさに適材といえるでしょう。


FLORA 0603
(1CD)
廃盤
マラン・マレ(1656-1728):
  音階およびさまざまな合奏の小品(1723)
   小オペラ形式の音階*
   マレ風ソナタ*
   聖ジュヌヴィエーヴ・デュ・モン教会の鐘

フランソワ・フェルナンデス(ヴァイオリン)
マルク・アンタイ(フラウト・トラヴェルソ*
フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ケネス・ワイス(チェンバロ)

録音:2003年10月、ベルギー、ブラ=シュ=リエンヌ教会
使用楽器:
 ヴァイオリン;エリク・ルールム製(モデル:アンドレア・グァルネリ製)
 フラウト・トラヴェルソ;ルドルフ・トゥツ製(モデル:IH・ロッテンブルグ製)
 ヴィオラ・ダ・ガンバ;1728年バラク・ノーマン製
 チェンバロ;1979年ヨープ・クリンクハンマー製

フランス・ヴィオル楽派の中心的作曲家マレが晩年に出版した、3つの個性的な大曲から成る作品集。 ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音にために書かれていますが、「小オペラ形式の音階」と 「マレ風ソナタ」では楽章によってフラウト・トラヴェルソがヴァイオリンの代わりに旋律を演奏したり、 重ねたりします。「聖ジュヌヴィエーヴ・デュ・モン教会の鐘」は映画「めぐり逢う朝」の サウンドトラック盤でファビオ・ビオンディとジョルディ・サヴァールらの演奏を聴くこともできます が、フェルナンデス、ピエルロ、ワイスによる演奏はずっとフランス的で、優雅さと詩情が感じられます。


FLORA 0705
(1CD)
音楽の巨匠 カロルス・ハッカルト
 カロルス・ハッカルト(1640-1701?):
  「パルナス山の調和」Op.2(1686)から
   ソナタ第8番(4声)(v1/v2/or/th/g1/g2)
   ソナタ第7番(3声)(v1/cm/th/g1/g2)
   ソナタ第5番(3声)(v1/v2/cm/th/g1)
  「ケリュス」Op.3(ヴィオラ・ダ・ガンバのための12の組曲;1686)から
   サラバンド(g1/th)
 フィリップス・ヴァン・ヴィーヘル(1610-1675):
  「Fasciculus Dulcedinis」(1678)から ソナタ第8番(4声)(v1/or/th/g1/g2/g3)
 カロルス・ハッカルト:
  「パルナス山の調和」Op.2 から ソナタ第3番(3声)(v1/v2/cm/g1)
  「ケリュス」Op.3 から サラバンド(g1/th)
 フィリップス・ヴァン・ヴィーヘル:
  「Fasciculus Dulcedinis」から ソナタ第1番(v1/v2/cm/g1)
 カロルス・ハッカルト:
  「パルナス山の調和」Op.2 から ソナタ第6番(3声)(v1/v2/cm/th/g1)
  「ケリュス」Op.3 から サラバンド(g1)

フランソワ・フェルナンデス(ヴァイオリン(v1))
ルイス・オターヴィオ・サントス(ヴァイオリン(v2))
ロラン・ステュワート(チェンバロ(cm)、オルガン(or))
エドゥアルド・エグエス(テオルボ(th))
ライナー・ツィパーリング(ヴィオラ・ダ・ガンバ(g2)
上村かおり(ヴィオラ・ダ・ガンバ(g3))
フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ(g1))

録音:2005年5月18-21日、ベルギー、ブラ・シュル・リエンヌ

カロルス・ハッカルト[Calorus Hacquart]は現ベルギーのブルッヘ(ブルージュ)に生まれた作曲家・演奏家。おそらく1667年から1670年の間にアムステルダムに移住、オランダ人による最初のオペラとも言われる「勝ち誇った愛」を作曲するなどの活躍を見せました。1679年ハーグに移り、詩人で作曲家でもあったコンスタンティン・ホイヘンス(天文学・物理学者クリスティアーン・ホイヘンスの父)の庇護を受け、ホイヘンスから「音楽の大巨匠」と絶賛されたハッカルトは、彼のとりなしでナッサウ伯ヨハン・マウリッツ(ブラジル総督)の私邸で週一回演奏する機会を得ました。この私邸はフェルメール(1632-1675)の名画で知られる現在のマウリッツハイス美術館です。つまりハッカルトはフェルメールの同国・同時代人であり、近い場所で活躍していたことになります。1686年以降の彼の消息はほぼ不明となりますが、おそらく1701年か翌年に没したと考えられています。
ハッカルトの代表作「パルナス山の調和」は10曲のソナタ集で、これらはパーセルやコレッリのトリオ・ソナタに匹敵するとも言われる傑作。イタリアとフランス、さらにイギリスや低地地方(オランダ、フランドル)の趣味、そして教会ソナタと室内ソナタの形式のごく自然な融合が見られ、旋律の美しさやヴィルトゥオジティにも事欠かない非常に高次元な音楽といえます。「ケリュス」はヴィオラ・ダ・ガンバのための12の組曲から成る作品集で、ここではサラバンドが3曲選ばれています。併録されている2つのソナタの作曲者フィリップス・ヴァン・ヴィーヘルはブリュッセルで活躍した作曲家・ヴァイオリン奏者です。
これら極上の音楽を、フローラ・レーベルがオールスター・キャストが届けてくれるのが、このアルバムです。まさに至福の時が約束されています。最終トラックではピエルロがヴィオラ・ダ・ガンバをピチカートで通してサラバンドを演奏し、深い余韻を残します。


FLORA 0805
(1CD)
廃盤
ヨゼフ・ハイドン(1732-1809):ピアノ三重奏曲集
  イ長調 Hob.XV:18/ニ短調 Hob.XV:23
  ハ長調 Hob.XV:21/変ホ長調 Hob.XV:10

ボヤン・ヴォデニチャロフ(フォルテピアノ)(*)
フランソワ・フェルナンデス(ヴァイオリン)
ライナー・ツィパーリング(チェロ)

録音:2005年12月17-20日、ブラ=シュル=リエンヌ
使用楽器:1980年、クリス・マーネ[Chris Maene]製
       (モデル:1785年、ヨハン・アンドレアス・シュタイン製)(*)

寺神戸亮(ヴァイオリン)のデュオ・パートナーとして日本でも知られるところとなったボヤン・ヴォデニチャロフ(1960年、ブルガリア生まれ)がフローラに登場。フェルナンデス、ツィパーリングとともに得意のハイドンを披露しています。ヴォデニチャロフは現在ベルギーのブリュッセル音楽院教授を務めており、モダーンとピリオドをまたにかけて活躍しています。


FLORA 0906
(1CD)
廃盤
モーツァルト(1756-1791):
 フォルテピアノとヴァイオリンのためのソナタ集
  ソナタ ハ長調 K.303
  ソナタ変ロ長調 K.378
  フランスの歌「ああ、私は恋人をなくした」の主題(アンダンティーノ)による
   6つの変奏曲 K.360
  ソナタ変ロ長調 K.454

フランソワ・フェルナンデス(ヴァイオリン)
ボヤン・ヴォデニチャロフ(フォルテピアノ)

録音:2006年6月、ベルギー、ブラ=シュル=リエンヌ

『ハイドン:ピアノ三重奏曲集』(FLORA 0805)で共演していたフェルナンデスとヴォデニチャロフのデュオが登場。現在ベルギーのブリュッセル音楽院教授を務めているヴォデニチャロフ(1960年、ブルガリア生まれ)は寺神戸亮(ヴァイオリン)のデュオ・パートナーとしても知られています。


FLORA 1006
(1CD)
ヒューム大佐のインドへの旅
 トバイアス・ヒューム(1569頃-1646):
  ヒューム大佐のパヴァン(*)/兵士のガリアード−兵士の行進曲(*)
  聴け、聴け(*)/ガンバの精神(*)
  ポーランドのエア−ポーランドのヴィラネル(*)
  わが貴婦人はかわいらしい物を持っている(*)
  早く私をくすぐって−ティッケル、ティッケル(*)
  さらば、かわいい恋人よ(*)/私は憂鬱(*)
 ドゥルバ・ゴーシュ:川辺の日の出(+)
 トバイアス・ヒューム:死(*/+)
 ドゥルバ・ゴーシュ:ヒュームに捧げる一曲(+/#)
 不詳:トリスターノの嘆き(*/+)

フィリップ・ピエルロ(リラ=ヴァイオル(*))
ドゥルバ・ゴーシュ(サーランギー(+)、歌(#))
ニティランジャン・ビスワス(タブラ(+))
ロセリーネ・シンプレラーレ(タンプーラ(+))

イングランドあるいはスコットランド出身、職業軍人としてスウェーデンとロシアの軍隊で将校を務めた「ヒューム大佐」ことトバイアス・ヒュームは優れたアマチュア音楽家でもあり、ヴィオルの名手として活躍、リラ=ヴァイオル(小型のヴィオラ・ダ・ガンバ)のための作品集を2巻出版しました。彼の作風は非常に個性的で、しばしば異常であるとも評されるほどでした。フィリップ・ピエルロが圧倒的な演奏で聴かせます。
このアルバムではヒュームがインドを旅し去っていくという架空の設定がなされており、後半では北インドの代表的擦弦楽器サーランギーの名手ドゥルバ・ゴーシュが登場。打楽器タブラとシタールに似た楽器タンプーラを従えて「川辺の日の出」を演奏、「死」はピエルロのソロに即興的に絡みながら切れ目なく「ヒュームに捧げる一曲」へと続き、ここでは歌も披露、さらに続いて中世ヨーロッパの名曲「トリスターノの嘆き」へとなだれ込み怒涛のコラボレーションで幕を閉じます。


FLORA 1106
(1CD)
真珠の涙 17世紀前半、ローマのハープ音楽
 不詳:スパニョレット/トッカータ/ラ・モニカ/ガリアルダ/サルタレッロ
 ジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643):
  トッカータ II/パッサカリアによるパルティータ
 不詳:マントヴァのアリア
 ジョヴァンニ・バッティスタ・フェッリーニ(1600-1674):トッカータ
 ジローラモ・フレスコバルディ:
  バレット/バレットのコッレンテ/聖体奉挙のためのトッカータ
  チャッコーナの様々なパルティータ[Ciaconna in partite variate]
 不詳:チャコーナ
 ジローラモ・フレスコバルディ:トッカータ VIII/パッサカリア
 不詳:ルッジェーロ/フィレンツェのアリア/大公のバッロ/ファヴォリータ

ジョヴァンナ・ペッシ(アルパ・ドッピア[バロック・ダブルハープ])
エドゥアルド・エグエス(テオルボ、ギター)

録音:2006年8月、ベルギー、ブラ=シュル=リエンヌ

スイスのバーゼルに生まれたジョヴァンナ・ペッシは7歳でハープを弾き始め、13歳のときに1800年エラール製のハープに出会ったことからピリオド楽器に目覚め、オランダのハーグでエドワルト・ウィッツェンブルグに、バーゼルのスコラ・カントールムでハイドルン・ローゼンツヴァイクに師事、さらにトロッシンゲン州立音楽大学でロルフ・リスレヴァンにダウランドからJ・S・バッハに至るリュート音楽の語法を学びました。
収録されている作曲者不詳の楽曲はキージ写本に収められたものです。


FLORA 1206
(1CD)
音楽の情熱
 ウィリアム・ローズ
(1602-1645):ハープ・コンソート組曲集
  ハープ・コンソート組曲ト短調(*)
  リラ・ヴァイオル独奏練習曲集ト長調(+)
  ハープ・コンソート組曲ニ短調(*)
  リラ・ヴァイオル独奏練習曲集ト短調(+)
  ハープ・コンソート ト長調(*)
  リラ・ヴァイオル独奏練習曲集ニ短調(+)
  ハープ・コンソート ト長調(*)

ソフィー・ゲント(ヴァイオリン(*))
ジョヴァンナ・ペッシ(ハープ(*))
エドゥアルド・エグエス(テオルボ(*))
フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ(*)、リラ・ヴァイオル(+))

録音:2006年8月、ベルギー、ブラ=シュル=リエンヌ

ウィリアム・ローズは、熱心な王党派の一員としてピューリタン反乱軍と戦い命を落とした作曲家。兄ヘンリー・ローズが声楽曲のみを作曲したのとは対照的に他分野にわたり数多くの作品を残し、なかでもコンソートのための器楽作品が重要とされています。ここではフィリップ・ピエルロのヴィオラ・ダ・ガンバを核としたコンソートが、その真髄を響かせます。ヒュームのアルバム同様、ピエルロが聴かせるソロ楽曲も圧倒的です。


FLORA 1307
(1CD)
ノルウェーのアーベル
 トマス・ロビンソン(活躍:1589頃-1609頃):鐘による20のウェイズ
 ベイアルン伝承曲:結婚行進曲
 フェリーチェ・ジャルディーニ(1716-1796):アンダンテ−ロンド・グラツィオーソ
 オイスタイン・ニルソンのフッラスラーグ
 シリ・デュヴィークのスプリンガル
 クヌート・ハムレのハルダンゲル・ルール
 カール・フリードリヒ・アーベル(1723-1787):アレグロ
 ヨハン・カスパル・フェルディナント・フィッシャー(1656-1746):ロンド
 ウィリアム・ブレイド(1560-1630):スコットランド舞曲
 不詳:I can not keepe my wife at howme / Home again, Market is done
 不詳:Cuperaree
 不詳:妖精の仮面
 ヨハン・マッテゾン(1681-1764):Felsenlied unsichtbarer Geschöpffe
 J・S・バッハ(1675-1750):ガヴォット I&II
 カール・フリードリヒ・アーベル:アルペッジョ−アダージョ−アレグロ
 ヴォス伝承曲:ノッリンゲン
 ハリングダール伝承曲:ファニトゥレン
 セテスダールのヴィーダル・ランデのガンガル:ゴルラウス

ニルス・オークラン(ハリングフェレ)
エリーザベト・ザイツ(ティンパノン)
フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)

録音:2007年9月、ベルギー、ブラ=シュル=リエンヌ

ドイツの作曲家で音楽史上におけるヴィオラ・ダ・ガンバの最後の名手カール・フリードリヒ・アーベルが北欧ノルウェーを旅し、民俗楽器奏者と交流するという「架空の旅」シリーズ第2弾(第1弾は「ヒューム大佐のインドへの旅」;FLORA 1006)。今回のゲストはハリングフェレ(ハルダンゲル・フィドル)の名手ニルス・オークラン。透明で冷涼な空気感の漂う中、穏やかに楽しげに繰り広げられる音楽の語らい。ティンパノン(真鍮弦を2つのヘラのようなもので叩く卓上琴)が二つの弦楽器の仲をとりもつかのように彩を添えて。例によってブックレット無しのパターンですが、理屈抜きでご堪能いただけること請け合いです。


FLORA 1409
(1CD)
ヴィオルを鳴らせ 17世紀イングランドのエアとディヴィジョン
 ジョン・ジェンキンズ(1592-1678):
  グラウンドに基づく2つのヴィオルのためのディヴィジョン
  ファンシー/エア/クラント
 マシュー・ロック(1621頃-1677):
  2つのバス・ヴィオルのための二重奏曲集(1652)から
   ファンタジー/ファンタジー/サラバンド
 ジョン・コペラリオ(1570頃-1626):ファンタジー
 ジョン・ジェンキンズ:2つのヴァイオルのための4つのレッスン
 ウィリアム・ローズ(1602-1645):アルフォンソのパヴァン
 マシュー・ロック:2つのバス・ヴィオルのための二重奏曲集(1652)から
   ファンタジー/ファンタジー/クラント
 不詳(エリザベス・ロジャーズのヴァージナル・ブック(1656)より):
  バグパイプ(#)
 ダニエル・ノーコム(1576-1626以前):トレジャンのグラウンド(*)
 ジョン・ジェンキンズ:2つのバス・ヴィオルのための2部のファンタジア
 クリストファー・シンプソン(1605頃-1699):ヴィオルのディヴィジョン(1659)(+)
 ジョン・ジェンキンズ:エア/クラント/サラバンド/エア
 不詳:グッド・ナイト

フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
使用楽器:1621年、トマス・オールレッド製
ライナー・ツィパーリング(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
使用楽器:1718年、バラク・ノーマン製(+以外)/フランソワ・ボダール製(+)
ジョヴァンナ・ペッシ(ハープ)
使用楽器:ライナー・トゥラウ製(ヴィースバーデン)、トリプル・ハープ

録音:2009年7月、バス=ボドゥー教会、ベルギー

ディヴジョンとはグラウンドと呼ばれる低音音型の繰り返しの上で旋律の一音一音を分割した細かな変奏が展開される作曲様式のことで、バロック初期にイングランドで隆盛しました。当レーベルの柱であるピエルロとツィパーリングの親密なヴィオル・デュオにペッシのハープが寄り添い、愉悦のひとときを堪能させてくれます。(*)はピエルロ、(+)はツィパーリング、(#)はペッシの独奏です。


FLORA 1507
(1CD)
マラン・マレ(1656-1728):シャリヴァリ
  ヴィオール曲集第3巻(1711)
   組曲ト長調/組曲ハ短調/組曲ニ長調

フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ[ソロ](*))
ライナー・ツィパーリング(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
モード・グラットン(チェンバロ)
エドゥアルド・エグエス(テオルボ、ギター)

録音:2007年7月25-27日、ベルギー、ブラ=シュル=リエンヌ
使用楽器:1718年、バラク・ノーマン製(*)

RICERCARレーベルでマレのヴィオール曲集全曲録音を目指しながら中断の憂き目に遭ってしまったピエルロが、FLORAで録音を再開しました。FLORAからは『音階』(FLORA 0603)に続く2枚目のマレとなります。アルバム・タイトルにもなっている曲「シャリヴァリ」は「どんちゃん騒ぎ」といった意味で、プログラムの最後を飾っています。


FLORA 1607
(1CD)
廃盤
モーツァルト(1756-1791):
  ピアノ四重奏曲ト短調 K.478
  ピアノ四重奏曲変ホ長調 K.493

ボヤン・ヴォデニチャロフ(フォルテピアノ)
寺神戸亮(ヴァイオリン)
フランソワ・フェルナンデス(ヴィオラ)
ライナー・ツィパーリング(チェロ)

録音:2007年10月10-13日、ベルギー、ブラ=シュル=リエンヌ

なんとヴァイオリンに寺神戸亮を迎えた充実の四重奏。


FLORA 1709
(1CD)
廃盤
モンテヴェルディタンクレディとクロリンダの戦い
 クラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643):
  タンクレディとクロリンダの戦い(トルクァート・タッソ作
   「解放されたエルサレム」より抜粋されたテキストによる音楽劇;
   マドリガーレ集第8巻(1624)から)(*)
 アレクサンダー・ゲール(1932-):
  モンテヴェルディのマドリガーレ「タンクレディとクロリンダの戦い」による
  クラリネット独奏のためのパラフレーズ(1969)(+)
 パオロ・クアリャーティ:
  アモールの忠節の車(ピエトロ・デラ・ヴァッレの台本による小オペラ;1611)(#)

アドリアナ・フェルナンデス(ソプラノ;クロリンダ(*)、アモール、名声(#))
フアン・サンチョ(テノール;タンクレディ(*)、アポロン、アリオン(#))
フリオ・ザナージ(バリトン;語り手(*)、オルフェウス(#))
ジャン=フランソワ・ヴェルディエ(クラリネット(+))
レ・サックブーティエ
 ジャン=ピエール・カニャック、マリー・ガルニエ・マルズッロ(コルネット[ツィンク])
 ダニエル・ラサル(テナーサックバット) シルヴァン・デルヴォー(バスサックバット)
 クリスティーヌ・パユー(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 マティアス・シュペーター(アーチリュート、キタローネ)
 ヤスコ・ブヴァール(オルガン、チェンバロ)

かつてレ・サックブーティエ・ド・トゥールーズと名乗っていた、コルネット(ツィンク)の名手ジャン=ピエール・カニャックが主宰するフランスのコルネット&サックバット・アンサンブル、レ・サックブーティエがフローラ・レーベルに登場。「タンクレディとクロリンダの戦い」では弦楽パートがコルネットとサックバットで演奏されており、これが新鮮なだけでなくたいへんリアル。歌手陣の力演も相まって、インパクト抜群の名演となっています。
間奏曲的に置かれたドイツの現代作曲家ゲールの作品に続いて収録されているのは、モンテヴェルディと同時代のイタリアの作曲家クアリャーティ(キオッジャの貴族出身でローマで活躍した作曲家・官吏)の代表作「アモールの忠節の車」。四旬節前の祝祭にローマの市街において山車(だし)の上で上演された作品で、当盤では小オペラと表記されていますが、実際にはマドリガーレ風音楽劇というべきものです。


FLORA 1809
(1CD)
ジョン・ジェンキンズ(1592-1678):満ち足りた眠り
 トレブル、リラ、バス・ヴァイオルとチェンバロのためのエア集

  パヴァン,アルマン,コラント,サラバンド(*/#)/ソナタ(**)
  エア,クラント,サラバンド(*/#)/ファンタジー,エア,クラント(**)
  5つの鐘(*/#)/パヴァン(*)/エッコ・コラント(*/#)
  ファンタジー,アルマン,コラント(**)
  アルマン,コラント,サラバンド,満ち足りた眠り(+/#)

ソフィー・ジェント(ヴァイオリン)
フィリップ・ピエルロ(リラ・ヴァイオル(*)、ヴィオラ・ダ・ガンバ(*以外))
ロミーナ・レシュカ(リラ・ヴァイオル(+)、ヴィオラ・ダ・ガンバ(+以外))
フランソワ・グェリエ(チェンバロ(#)、オルガン(**))

録音:2008年10月16-18日、バス=ボドゥー教会(ベルギー)

イングランドの作曲家ジョン・ジェンキンズはウィリアム・バード(1543-1623)の時代からヘンリー・パーセル(1659-1695)の時代まで長きにわたって活躍し、特にヴァイオル・コンソートの分野に多数の優れた作品を残しました。
ソフィー・ジェントはハーグ王立音楽院で寺神戸亮に師事したオーストラリア生まれのヴァイオリニストとして日本の古楽ファンにはもうお馴染み。ジェントとフィリップ・ピエルロは、ジェンキンズの友人だった作曲家ウィリアム・ローズ(1602-1645)のハープ・コンソート組曲集のCD(FLORA 1207)でも共演していました。アルバムを通して、精緻なアンサンブルに知的な即興性を織り込んだ格調高い演奏を堪能できます。


FLORA 1909
(2CD)
廃盤
フランソワ・フェルナンデス、最良のパートナーを得てついに録音!
 J・S・バッハ
(1685-1750):ヴァイオリンとチェンバロのための6つのソナタ
  ヴァイオリンとチェンバロ・コンチェルタントのためのソナタ
   第1番ロ短調 BWV1014/第2番イ長調 BWV1015/第3番ホ長調 BWV1016
   第4番ハ短調 BWV1017/第5番ヘ短調 BWV1018/第6番ト長調 BWV1019
  ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 BWV1021(*)

フランソワ・フェルナンデス(ヴァイオリン)
バンジャマン・アラール(チェンバロ)
フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ(*))

録音:2009年2月8-11日、ボーフェ教会(フランス)
使用楽器:
 1670年、クレモナ、アンドレア・グァルニエーリ製(ヴァイオリン)
 アントニー・シドニー製(モデル:1740年頃、ゴットフリート・ジルバーマン製)(チェンバロ)
 1625年、トマス・オールレッド製(ヴィオラ・ダ・ガンバ)

当レーベルのベストセラーである「無伴奏ソナタ&パルティータ集」(FLORA 0402, 0403)から7年、フランソワ・フェルナンデスがついに録音に踏み切った「伴奏付きソナタ」。チェンバロ・パートがたいへん重要なこれらの作品の録音にあたって彼が組んだのは、1985年生まれという若さにして「レオンハルト以来最高のバッハ弾き」とも称されるフランスの逸材バンジャマン・アラール。チェンバロ一台とは思えないほど多彩な音響を生成するそのテクニックは驚異的で、左手はときにヴィオラ・ダ・ガンバを弾いているようにすら感じさせます。そして、求めていたものがおそらくすべて整えられた上で自由自在に語り歌い踊るフェルナンデスのヴァイオリン。「無伴奏」では孤高の求道者を思わせた彼が、ここでは凛々しい天使のよう。フィリップ・ピエルロは最後の1曲のみの参加ですが、がらりと雰囲気を変えてしまうところはさすがです。


FLORA 2009
(1CD)
廃盤
明暗−カラヴァッジョの後に続いて 17世紀イタリア音楽における光と影
 タルクイニオ・メールラ(1595-1665):愛の竪琴にのせて(1633)(*)
 アンドレア・ファルコニエーリ(1585-1656):
  サタンの娘婿、バラバソの戦い(1650)
 クラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643):主をたたえよ(1640)(*)
 ジョヴァンニ・バッティスタ・フォンターナ(1589?-1630?):ソナタ第11番(1641)
 クラウディオ・モンテヴェルディ:西風が戻り(1632)(*)
 ダリオ・カステッロ(?-1630?):カンツォン第1番(1644)
 クラウディオ・モンテヴェルディ:愛の手紙(1619)(*)
 ダリオ・カステッロ:カンツォン第12番(1644)
 イグナツィオ・ドナーティ(1612-1638):おお、栄光の聖母よ(1626)(*)
 ジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643):カンツォン「ラ・ビアンキーナ」(1628)
 クラウディオ・モンテヴェルディ:私は主に感謝する(1640)(*)

アドリアナ・フェルナンデス(ソプラノ(*))
レ・サックブーティエ
 エレーヌ・メドゥス(ヴァイオリン) ジャン=ピエール・カニャック(コルネット[ツィンク])
 ダニエル・ラサル(サックバット) グイード・バレストラッチ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 マティアス・シュペーター(アーチリュート、キタローネ) ヤスコ・ブヴァール(オルガン)
 ロラン・ル・シュナデク(ドゥルツィアン) フロラン・ティセイル(打楽器)

徹底した写実と劇的表現でバロック絵画に革新をもたらしたイタリアの巨匠カラヴァッジョ(1571-1610)。このアルバムでは、彼が駆使した光の明暗の効果を、続く時代の音楽の中に見い出していきます。音楽史におけるカラヴァッジョ的存在と言ってもよさそうなモンテヴェルディのマドリガーレを中心に、同時代作曲家の器楽作品を交えた構成で、演奏テクニックは抜群。前作「タンクレディとクロリンダの戦い」(FLORA 1709)に続く共演となるアドリアナ・フェルナンデスのソプラノとジャン=ピエール・カニャックのコルネットの掛け合いが特に聴きものです。


FLORA 2110
(1CD)
セヴィニエ夫人のためのコンサート
 不詳:
  ああ、良き日ふたたび[Ah! quand reviendra-t-il](*)
  若きイリス(*)/サラバンド(*)/シャコンヌ(*)
 ジャン=バティスト・リュリ(1632-1687)/
  ロベール・ド・ヴィゼ(1650頃-1725頃)編曲:
  バレエ「アムールの勝利」(1681)より アポロンの入場(++)
 不詳:シンフォニー(*)/サラバンド(*)
 ゴーティエ:レシ(#)
 ジャック・オトテール(1674-1763):2つの高音楽器のための組曲第2番(**)
   荘重な二重奏曲(均等八分音符)/アルマンド/ロンド、愛情、雉鳩
   ロンド/ジグ/パサカーユ
 リュリ/編曲者不詳:オペラ「ペルセ」(1682)より
   ああ、愛は何と不安を招くことか[Ah que l'amour cause d'Alarmes](+)
 マラン・マレ(1656-1782):メヌエット−ガヴォット(*)
 不詳:ゴーティエ氏の喜び(+)
 リュリ/編曲者不詳:
  オペラ「アマディス」(1684)より フルートによる魅惑のためのシンフォニー(+)
  オペラ「アルミード」(1686)より アルミードの眠りの前奏曲(+)
 不詳:カナリー(#)
 マラン・マレ:(##)
  前奏曲/アルマンド=ドゥブル/クラント=ドゥブル/サラバンド
  ガヴォット/ジグ
 不詳:シンフォニー(*)/パサカーユ(*)

出典:
  (*)Trio de la Chambre Tome Premier(フランス国立図書館、RES 1397)
  (+)Recueil de Plusiers belles pieces de Symphonie...1695
   (フランス国立図書館、RES F.533)
  (#)Trio//de//Mr Gautie(r)(フランス国立図書館、RES 1536)
 (**)Premièr suite de pièces, à deux dessus, sans basse continue pour
    les flûtes traversières, flûte &aagrave; bec, violes...Paris, 1712
 (++)Vaudry de Saizenay写本(ブザンソン市立図書館)
 (##)Panmure写本(エジンバラ、スコットランド国立図書館)

マルク・アンタイ、ジョルジュ・バルテル(フラウト・トラヴェルソ)
エドゥアルド・エグエス(テオルボ)
フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)

録音:2009年9月、バス=ボドー教会(ベルギー)
使用楽器:
 アラン・ウェーマールス製(モデル:オトテール製)(フラウト・トラヴェルソ)
 ヤコプ・ファン・ヘースト製(テオルボ)
 1625年、トマス・オールレッド製(ヴィオラ・ダ・ガンバ)

セヴィニエ夫人ことセヴィニエ侯爵夫人マリー・ド・ラビュタン=シャンタル(1626-1696)は、子供たちに書き送った1500通を超える手紙により書簡文学の先駆者と称せられる人物。彼女の書簡は当時のフランス貴族の生活ぶりを伝える歴史資料であり、そこにはもちろん音楽に関する記述も見られます。
『若い人たちは、楽しむために小唄(シャンソン)に合わせて踊りました。これが今、宮廷で大流行しているのです。ある者は、カード遊びに興じ、ある者は、ヴェゼ、マレ、デコトー、フィルベールの美しいコンサートに耳を傾けました。そうこうしているうちに真夜中になり、結婚式がクレキ邸の礼拝堂で執り行われました。』(1696年2月3日、セヴィニエ夫人の手紙より、永田美穂 訳)
いかにも貴族的な、節度をわきまえながらも華のある愉悦の音楽。フィリップ・ピエルロが自ら通奏低音パートを補筆復元した楽譜を弾いた(#)は圧巻です。


FLORA 2210
(1CD)
アマランサス エール・ド・クール(17世紀フランス宮廷歌曲集)
 ニコラ・ヴァレ(1583頃-1642頃):前奏曲
 ジャン=バティスト・ベザール(1567頃-1617以後):
  Ou luis tu soleil de mon ame (*/+)/Beaux yeux qui voyes clairement (*/+)
 ニコラ・ヴァレ:ファンタジア(+)
 コンスタンティン・ホイヘンス(1596-1687):Quoi Clorinde (*/+)
 ニコラ・オトマン(1610頃-1663):バレ(#)
 コンスタンティン・ホイヘンス:Graves tesmoins (*/+/#)/セレナード(*/+/#)
 ニコラ・ヴァレ:イタリアのパッサメッツォによるファンタジア(+)/前奏曲(+)
 フランソワ・リシャール(1600頃-1650):
  Les yeux baignez de pleurs (*/+)/Amarante[アマランサス](*/+)
  Beaux yeux (*/+)
 ゴーティエ?:前奏曲(#)
 ミシェル・ランベール(1610-1696):
  Ah qui voudra desormais s'engager (*/+/#)
  Par mes chants tristes et touchants (*/+)/Vos mespris (*/+)
 バスティード氏:Arbres, rochers (*/+/#)
 ド・マシー氏(活躍:17世紀後半):シャコンヌ(#)
 デュビュイソン氏(1622/1623-1680/1681):
  ランベール氏の死に寄せる哀歌(*/+/#)

セリーヌ・シェーン(ソプラノ(*))
エドゥアルド・エグエス(リュート、テオルボ(+))
フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ(#))

録音:2010年5月、ブラ=シュル=リエンヌ教会(ベルギー)

2006年、2008年、2011年(予定)の「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」に参加、その美貌と美声で聴衆を魅了したベルギー生まれのソプラノ、セリーヌ・シェーンをソリストに迎えた極上の一枚。


FLORA 2310
(1CD)
廃盤
ラ・サクブート 初期バロックのサックバット音楽
 ザムエル・シャイト(1587-1654):ベルガマスカ(1622)
 ダリオ・カステッロ(1590-1644):
  ソナタ・コンチェルタータ集(1644)から 第4番/第3番/第16番
 アンドレア・ファルコニエロ(ファルコニエーリ;1585頃-1656):
  カツォーネ、シンフォニアとファンタジア集第1巻(1650)から
   パッサカリアとチャッコーナ
 タルクイニオ・メルラ(1594/1595-1665):
  教会用と室内用のカンツォーナまたはソナタ・コンチェルタータ集(1637)から
   チャッコーナ
 クリストバル・デ・モラレス(1500頃-1553)/パコ・ルビオ編曲(装飾):
  それでも女たちは呼ばわりつつ(1547)
 ディエゴ・オルティス(1510-1570):レセルカダス[リチェルカーレ](1553)
 ヨハン・ヘルマン・シャイン(1586-1630):音楽の饗宴(1617)から
   パヴァーヌ/ガイヤルド/クラント/アルマンド
 ハインリヒ・シュッツ(1585-1672):シンフォニエ・サクレ第2巻(1647)から
   そして神は起き上がり SWV356

ミシェル・ベケ(テナー・サックバット)
レ・サックブーティエ[トゥールーズ古楽金管アンサンブル]
 ジャン=ピエール・カニャック、マリー・ガルニエ・マルズッロ(コルネット[ツィンク])
 ダニエル・ラサル(アルト・サックバット、テナー・サックバット)
 ウィム・ベク(バス・サックバット) エドゥアルド・エグエス(テオルボ、ビウエラ)
 ヤスコ・ブヴァール(オルガン) ペドロ・エステバン(打楽器)

録音:2002年8月 前出:Ambroisie, AMB 9929

トロンボーンの前身楽器であるサックバットをトロンボーンの名手ミシェル・ベケが吹奏した話題盤が復活しました。


FLORA 2410
(1CD)
アンサンブル・クレマン・ジャヌカン登場!
ラブレー 汝の欲するところを行え、またはテレームの僧院

 ジョスカン・デプレ(1455-1521):Vive le Roy[王様万歳]
 クロード・ルジュヌ(1530-1600):Je boys a toy mon compagnon
 クレマン・ジャヌカン(1485-1558):Or viens ça mie Perette
 クローダン・ド・セルミジ(1494-1562):Hau, hau je boys
 ガブリエル・バタイユ(1575-1630):
  O que mesa que manjar! Quien quiere entrar?
 ギヨーム・コートレー(1530-1606):Grosse garce noire
 オルランドゥス・ラッスス(1532-1594):Lucescit lamo socii
 クレマン・ジャヌカン:Martin menoit son pourceau au marche
 オルランドゥス・ラッスス:La nuict froide et sombre
 アントワーヌ・ド・ベルトラン(1530-1581):Je vis, je meurs
 クレマン・ジャヌカン:La chasse[狩]
 ピエール・アテニャン(1494-1551):
  パヴァーヌとガイヤルド「Ferrareze」、クラント、トゥルディオン
 クレマン・ジャヌカン:La guerre[戦争](第1部)
 クレマン・ジャヌカン:La guerre[戦争](第2部)
 クローダン・ド・セルミジ:Le content est riche en ce monde
 ロイゼ・コンペール(1450-1518):Nous sommes de l'ordre de Saint Babouyn
 ジャン=ポール・パラダン[ジョヴァンニ・パオロ・パラディーノ]
  (活躍:1540-1560):リュート曲(詳細記載なし;朗読部分のBGM)

アンサンブル・クレマン・ジャヌカン
 ドミニク・ヴィス(カウンターテナー、ディレクター) ユーグ・プリマール(テノール)
 ヴァンサン・ブショ(朗読、バリトン) フランソワ・フォシェ(バリトン)
 ルノー・ドレイグ(バス)

レ・サックブーティエ
 ジャン=ピエール・カニャック(コルネット[ツィンク])
 フィリップ・ガンギレム(シャリュモー) ダニエル・ラサル(サックバット)
 ロラン・ル・シュナデク(ドゥルツィアン) ヤスコ・ブヴァール(オルガン)
 フロラン・ティセイル(打楽器)

ウジェーヌ・フェレ(ルネサンスリュート)

録音:2009年11月、ミュレ(フランス)、ニコラ・ダレイラック・ホール

レ・サックブーティエがドミニク・ヴィス率いるアンサンブル・クレマン・ジャヌカンを招いて繰り広げる音楽物語。フランス・ルネサンスを代表する人文主義者・作家フランソワ・ラブレー(1494頃-1553)の小説「ガルガンチュア物語」から抜粋されたテキストを中心に進行します。テレームの僧院は物語の舞台の一つで、「汝の欲するところを行え」はその僧院の唯一の規則。


FLORA 2511
(1CD)
マラン・マレ(1656-1728):フォリア
  ヴィオール曲集第2巻(1701)から
   組曲ニ長調 から 前奏曲,ブラスク,フォリアのクプレ
   組曲イ長調
    前奏曲,気まぐれ,アルマンド,クラント,サラバンド,
    サラバンド,速いジグ,エコー,ファンタジー
   組曲ホ長調
    前奏曲,アルマンド,クラント,サラバンド,ジグ,
    昔のリュート作曲家の流儀によるパヴァーヌ
    ガヴォット,不規則なロンド,シャコンヌ

フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ(*))
ライナー・ツィパーリング(ヴィオラ・ダ・ガンバ(+))
エドゥアルド・エグエス(テオルボ)
フランソワ・ゲリエ(チェンバロ)

録音:2011年10月、バス=ボドゥー教会
使用楽器:1621年、トマス・オールレッド製(*)/1718年、バラク・ノーマン製(+)

『音階』(FLORA 0603)、『シャリヴァリ』(FLORA 1507)に続くフィリップ・ピエルロのマレ第3作。「スペインのフォリア」として有名な「フォリアのクプレ」(32の変奏、演奏時間約19分半)はまさに圧巻。


FLORA 2611
(1CD)
廃盤
レ・サックブーティエ創設35周年記念
フランス、ベルギー、オランダから名手たちが結集!

トゥーバ・ミルム サックバットのための音楽

 ハインリヒ・シュッツ(1585-1672):
  「シンフォニエ・サクレ」第1巻 から わが息子アブサロム BWV269(*)
 ジョヴァンニ・ガブリエーリ(1554-1612):
  「サクレ・シンフォニエ」から カンツォン・ピアン&フォルテ
 アントニオ・デ・カベソン(1510-1566):ご婦人の望み
 ハインリヒ・シュッツ:「シンフォニエ・サクレ」第1巻 から 聞け、わが民よ SWV270(*)
 ウィリアム・ホルボーン(1540-1602):湧き出よ、わが涙
 ジョン・ダウランド(1563-1626):「ラクリメ」から エセックス伯のガイヤルド
 アントニー・ホルボーン(1545-1602):葬送
 ジョン・ダウランド:「ラクリメ」から デンマーク王のガイヤルド
 ウィリアム・ブレイド(1560-1630):
  サティロス舞曲/スコットランド舞曲/巡礼舞曲/ロートシェンケン舞曲
 フランシスコ・コレア・デ・アラウホ(1583-1654):この世の誰もが
 ザヌエル・シャイト(1587-1654):「音がジュの戯れ」から
  パヴァーヌ(第5曲)/ガイヤルド(第7曲)/クラント(第23曲)/アルマンド(第16曲)
 ジョヴァンニ・ガブリエーリ:「カンツォーナとソナタ集」から
  カンツォン(第1曲)/カンツォン(第8曲)

ルノー・ドレイグ(バス)
レ・サックブーティエ
 ミシェル・ベッケ、ダニエル・ラサール、ファブリス・ミリシェル、ウィム・ベク、
 イェルゲン・ファン・ライエン、ダヴィド・ロッケノー(サックバット)
 ジャン=ピエール・カニャック、リュイス・コイ(コルネット[ツィンク])
 ローラン・ル・シュナデック(ドゥルツィアン) マティアス・シュペーター(テオルボ)
 ペドロ・エステバン(打楽器) ヤスコ・ウヤマ=ブヴァール(オルガン)

録音:2011年4月、ピアノ音楽ホール、リムー、オード県、フランス

1976年にコルネット(ツィンク)奏者ジャン=ピエール・カニャックが創設した吹奏ピリオド楽器アンサンブル、レ・サックブーティエの35周年を記念して制作されたアルバム。フランスの巨匠ミシェル・ベッケ、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団首席奏者イェルゲン・ファン・ライエンらトロンボーンの名手たちが結集し、トロンボーンの前身楽器サックバットを合奏した注目盤です。


FLORA 2712
(1CD)
アウラ・ソアーヴェ 17世紀前半イタリアの歌曲集
 ルッツァスコ・ルッツァスキ(1545頃-1607):優しいそよ風[Aura soave](*/+)
 不詳:シンフォニア・アンティカ(+/#)
 ジョヴァンニ・ジャコモ・ガストルディ(1550頃-1622):
   大胆な男[L'Ardito]−言い寄る男[L'innamorato](*/+/#)
 ジョヴァンニ・ジローラモ・カプスベルガー(1580-1651):
  トッカータ・アルオペッジャータ[Toccata Arpeggiata]
 ステファノ・ランディ(1587-1639):小鳥[Augellin](*/+)
 イッポリート・タルタリーノ(1539頃-1582):
  スザンナによるカンツォン[Canzon sopra Susanna](#)
 ジュリオ・カッチーニ(1545頃-1618):
  戻れ、ああ、戻れ[Torna, deh torna](*/+/#)
 ジョヴァンニ・デ・マック(1548/1550-1614):
  第1のストラヴァガンツァ[Prima Stravaganze](#)
  私の苦しみが生まれる[Nasce la pena mia](+/**)
 ジュリオ・カッチーニ:アマリッリ[Amarilli](*/**)
 ジョヴァンニ・ジローラモ・カプスベルガー:トッカータ[Toccata](+)
 バルバラ・ストロッツィ(1619-1677):秘密の愛人[L'Amante segreto](*/+)
 ルイージ・ロッシ(1597-1653):パッサカリア[Passacaille](+)
 マルコ・マラッツォーリ(1602?-1662):ばらについて[Sopra la Rosa](*/+/#)

セリーヌ・シェーン(ソプラノ(*))
ジョヴァンナ・ペッシ(ダブル・ハープ(+))
フィリップ・ピエルロ
 (ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソプラノ(**)、ヴィオラ・ダ・ガンバ・バス(#))
上村かおり(ヴィオラ・ダ・ガンバ・テノール(**))
ライナー・ツィパーリング、ロミーナ・リシュカ(ヴィオラ・ダ・ガンバ・バス(**))

録音:2012年6月、ブラ・シュル・リエンヌ教会、ベルギー

才色兼備のソプラノ、セリーヌ・シェーンのセカンド・リサイタル・アルバム。前作『アマランサス』(FLORA 2210)の17世紀フランスの宮廷歌曲に続き、今回は17世紀前半にイタリアで隆盛した「新音楽」(歌詞を聴き取りやすく語るように歌う独唱と伴奏楽器によるモノディ形式の音楽)をテーマとしています。秋の夕べ、優しいそよ風に吹かれながら、ていねいに醸されたロゼ・ワインをゆっくり味わうような一時間余。


FLORA 2812
(1CD)
ジャズとパヴァーヌ 古楽とジャズの共宴
 不詳:ボンバルド(アプト写本のミサのクレドによる)
 ディエゴ・オルティス(1510頃-1570頃):
  リチェルカーレ第1番、パッサメッツォ・アンティコ
  リチェルカーレ第4番、ガンバ
  リチェルカーレ第7番、ロマネスカ
  リチェルカーレ第2番、パッサメッツォ
 フアン・バスケス(1510頃-1560頃):何を使って洗いましょう
 ミケランジェロ・ロッシ(1601/1602-1656):トッカータ第7番
 タルクイニオ・メールラ(1594/1595-1665):愛の竪琴に乗せて
 アンドレア・ファルコニエリ[ファルコニエロ](1585/1586-1656) :
  パッサカリア/チャッコーナ[シャコンヌ]
 ハインリヒ・シュッツ(1585-1672):神は立ち上がり
 マテオ・フレチャ(1481頃-1553):火事

レ・サックブーティエ
 ジャン=ピエール・カニャック(コルネット[ツィンク])
 ヤスコ・ブヴァール(オルガン、チェンバロ) フロラン・ティセイル(打楽器)
クロード・エジェア(トランペット、ビューグル)
ドニ・ルルー(トロンボーン)
ジャン=ピエール・バレーダ(ダブルベース)
ファビアン・トゥルニエ(ドラムス)
フィリップ・レオジェ(ピアノ、編曲)

録音:2012年4月、ピアノ博物館音楽ホール、リムー、フランス

フランスのジャズ・ピアニスト、フィリップ・レオジェが西欧の古楽をジャズ風にアレンジ、それを古楽器演奏家とジャズ・ミュージシャンのコラボレーションで演奏してしまおうという大胆な試み。とはいえ音楽的な仕上がりは上品なフレンチ・ジャズの趣。ブランデーやカルヴァドスのお供に最適と言えるでしょう。


FLORA 3113
(1CD)
ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764):コンセールによるクラヴサン曲集(1741)

レ・タンブル
 川久保洋子(ヴァイオリン) ミリアム・リニョル(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 ジュリアン・ヴォルフス(チェンバロ)

録音:データ記載なし

フランス国立リヨン高等音楽学校で出会った三人の若きピリオド楽器演奏家により2007年に結成され、2009年8月ベルギーのブルージュ国際古楽コンクールにて室内楽部門優勝&新曲作曲賞を受賞したたトリオ、レ・タンブル [Les Tombres] のデビューCD。闊達にして優美、すばらしいラモーを聴かせます。
川久保洋子は桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学卒業、東京芸術大学音楽学部古楽科修士課程修了。2010年6月、フランス国立リヨン高等音楽学校を優秀な成績で修了する。2007年秋、イタリアロヴェレートで行われるプレミオ・ボンポルティ国際古楽コンクール、バロックヴァイオリン部門第4位入賞。これまでにヴァイオリンを吉田真紀、辰巳明子、バロックヴァイオリンを若松夏美、オディル・エドゥアルに師事。日本、ヨーロッパ各地で様々なアンサンブルのメンバーとして演奏活動また録音活動をしている。ル・コンセールフランセ(ピエール・アンタイ)、インコニティ(アマンディーン・ベイエール)、コンチェルト・ソアーヴェ(ジャン=マルク・エイム)、オーケストラ・リベラ・クラシカ(鈴木秀美)、バッハ・コレギウム・ジャパン(鈴木雅明)、メディオ・レジストロ(古橋潤一)のメンバー。
ミリアム・リニョル [Myriam Rignol] は7歳よりヴィオラ・ダ・ガンバをクリスチャン・サラに師事。その後16歳でリヨン国立高等音楽学校に入学、マリアンヌ・ミュラーのクラスに在籍し、2010年6月優秀な成績で修了する。在学中ドイツのケルン音楽学校でライナー・ツィパーリングのクラスで研鑚を積む。2009年6月、ドイツのケーテンで行われるバッハ=アーベル国際ヴィオラ・ダ・ガンバコンクールで第2位。2010年5月、山梨古楽コンクールにて最高位受賞。2011年8月、ベルギーのブルージュ国際古楽コンクール第2位&聴衆賞受賞。レザール・フロリサン(ウイリアム・クリスティー)、アンサンブル・ピグマリオン(ラファエル・ピション)、アンサンブル・コレスポンドンス(セバスチャン・ドセ)など様々なアンサンブルのメンバーとしてコンサート・録音活動を行っている。
ジュリアン・ヴォルフス [Julien Wolfs] はベルギー、ジュードーニュの音楽院にてチェンバロをはじめる。オランダのアムステルダム音楽院でメノ・ファン・デルフトのクラスに在籍、2009年6月修士課程を優秀な成績で修了する。在学中にフランスリヨン国立高等音楽院に交換留学しフランソワーズ・ランジュレに師事。2007年8月、ブルージュで行われる国際古楽コンクール・チェンバロ部門にてベルギー人で初めて1位なしの2位&聴衆賞・ミンコフ出版賞を受賞。現在、リヨン織物・装飾博物館のオリジナル・チェンバロの調整を定期的に行っている。これまでにワロニ―・フェスティヴァル、フランドル・フェスティヴァルや、アムステルダム・コンセルトヘボウ、ボザールなどベルギーを中心に各地でリサイタルを行い、ラジオ録音もされている。


FLORA 3213
(1CD)
マラン・マレ(1656-1728):夢想
  ヴィオール曲集第5巻(1725) 抜粋
   組曲イ短調 から
    Prélude / Petit Caprice / Sarabande / Gigue / La Sincope / La Mariée
    Rondeau moitié pincé et moitié coups d'archet
   組曲ヘ長調 から
    Prélude / Allemande la bois Guillaume / Sarabande / La Demoi Gigue
    Les Forgerons / Le Touché du Clavecin
   組曲ト短調 から
    Prélude / Fantaisie / Sarabande / Gigue la Pagode
   組曲ト長調 から
    Gigue la pointilleuse / Le Jeu du Volant / La Tatillone / Dialogue
    Chaconne
   組曲ホ短調
    Prélude / Allemande La Beuron / Sarabande
    Gavotte Singuliere - 2e Gavotte La Mignone / Menuet - 2e Menuet
    Le Contraste / Marche Persane dite La Savigny
    Le Tableau de l'Operation de la Taille [膀胱結石切開手術図](*)
    Les Relevailles - Suitte - Suitte / Resveries Mesplaiziennes

フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ミリアム・リニョル(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ジュリアン・ヴォルフス(チェンバロ)
フランソワ・シキヴィー(朗読(*))

録音:2014年4月、聖ジャン教会、ボーフェ、ベルギー

リチェルカール・コンソートを率いて今年も「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 2017」に参加しているフィリップ・ピエルロ、得意のマレの新録音がついに登場。彼はリチェルカール・レーベル時代からマレのヴィオール曲集の録音を継続しており、当レーベルからは「音階」(FLORA 0603)、「シャリヴァリ」(FLORA 1507)に続きこれが三作目となります。今回は一世代下にあたるレ・タンブルのメンバー、ミリアム・リニョル(1988年生まれ)とジュリアン・ヴォルフス(1983年生まれ)を共演者に選び、風格や余裕と同時に清新な活力をもみなぎらせた、期待を上回る快演を聴かせてくれます。マレ自身が経験した麻酔無しの手術に基づく恐怖の「膀胱結石切開手術図」ではベルギーの舞台俳優フランソワ・シキヴィー(1959年生まれ)による戦慄のナレーションも味わえます。弊社太鼓判、文句無しの推薦盤です。


FLORA 3314
(1CD)
廃盤
ガロンヌ川のヴェネツィア
 ジョヴァンニ・ガブリエーリ
(1554/1557-1612):
  カンツォーナ・イン・エコー第12旋法、10声(*)/カンツォーナ第8番、8声(+)
  カンツォーナ第12旋法、10声(*)/カンツォーナ第3番、6声(+)
  ソナタ第18番、14声(+)/カンツォーナ第9旋法、12声(*)
  カンツォーナ第4番、6声(+)/カンツォーナ第16番、12声(+)
  ピアノとフォルテのソナタ、8声(*)/カンツォーナ第17番、12声(+)
  カンツォーナ第1番、5声(+)/カンツォーナ第7&8旋法、12声(*)
  ソナタ第22番(+)/カンツォーナ第8旋法、12声(*)/カンツォーナ第10番、8声(+)
  ラ・スピリタータ、4声(ラヴェリ・コレクション、1608)
  カンツォーナ第4旋法、15声(*)/カンツォーナ第2番、6声(+)
  ソナタ第22番、22声(+)
  (*)「シンフォニエ・サクレ」(1597)から
  (+)「シンフォニエ・サクレ」(1615)から

レ・サックブーティエ
 エレーヌ・メドゥ、クリストフ・ジュイェール、アンヌ=リーズ・シュヴァリエ、
 キャピュシーヌ・ヴェルニュ(ヴァイオリン)
 ジェニファー・ルター(ヴィオラ)
 ジャン=ピエール・カニャック、マリー・ガルニエ=マルズッロ、ルイス・コイ・イ・トルリュス、
 レジ・シングリット(コルネット[ツィンク])
 ダニエル・ラサル、ダヴィド・ロッケノー、アイメリク・フルネ、オリヴィエ・ラシュリ、
 エリアス・トゥルネ、グザヴィエ・シブラ、ジュリアン・ミロ、ユーゴ・リキエール(テナーサックバット)
 ファビアン・ドルニク、ジャン=ノエル・ガメ(バスサックバット)
 ローラン・ル・シュナデク(ソプラノ・ドゥルツィアン、バスドゥルツィアン)
 フィリップ・カンギレム(アルト・ドゥルツィアン) ダフネ・フランクァン(テナードルツィアン)
 バルバラ・バジョル(バスドゥルツィアン) マティアス・シュペーター(テオルボ)
 ヤスコ・ブヴァール、加藤麻衣子、さかいかおり(オルガン)

ジャン=ピエール・カニャック、フィリップ・カンギレム(指揮)

録音:データ未詳

ヴェネツィアのサン・マルコ聖堂に響き渡ったジョヴァンニ・ガブリエーリの分割合唱形式の多声部器楽作品。その壮麗な響きを世界最高の吹奏古楽器アンサンブル、レ・サックブーティエの演奏でご堪能ください。


FLORA 3415
(1CD)
甘美なる旋律 17世紀イタリアの器楽
 アンドレア・ファルコニエロ [ファルコニエーリ] (1585/1586-1656):
  カンツォーナ、シンフォニア、ファンタジア…集第2巻(1650、ナポリ)から
   La Suave Melodia / L'Eroica / Brando dicho el Melo
   Folias echa para mi Señora Doña Tarolilla de Carallenos
 ダリオ・カステッロ(確認できる活躍期:およそ17世紀前半):
  現代的様式のソナタ・コンチェルターテ集第1巻(1621、ヴェネツィア)から
   ソナタ第1番
  現代的様式のソナタ・コンチェルターテ集第2巻(1629/1644、ヴェネツィア)から
   ソナタ第12番
 ジョヴァンニ・パオロ・チーマ(1570頃-1630):
  教会用コンチェルト集(1610、ミラノ)から 3声のソナタ
 タルクイニオ・メールラ(1594/1595-1665):
  教会用および室内用カンツォーナまたはソナタ・コンチェルターテ
   (1637、ヴェネツィア)から La Cattarina
 マルコ・ウッチェリーニ(1603/1610頃-1680):
  室内用および教会用ソナタ、コッレンテとアリア集 Op.4(1645、ヴェネツィア)から
   La Luciminia contenta(ヴァイオリン独奏ソナタ)
 ジョヴァンニ・バッティスタ・ブオナメンテ(16世紀後半-1642):
  2つのヴァイオリンとバッソ・ディ・ヴィオラのための様々なソナタ…集第4巻
   (1626、ヴェネツィア)から シンフォニア第2番/ガリアルダ第4番
 ジョヴァンニ・ガブリエーリ(1554/1557頃-1612):
  カンツォーナとソナタ集(1615)から 3つのヴァイオリンを伴うソナタ第21番
 ジョヴァンニ・バッティスタ・リッチョ(確認できる活躍期:1609-1621):
  神の称賛の音楽 [divine lodi musicali] 第2巻(1614、ヴェネツィア)から
   2つのソプラノのエコー・カンツォーナ [Canzon a doi soprani in echo]
 フランチェスコ・トゥリーニ(1589頃-1656):
  2声および3声のマドリガーレとソナタ集(1621、ヴェネツィア)から 2声のソナタ
 ジョヴァンニ・ガブリエーリ:カンツォーナ第2番
 ジョヴァンニ・マルティーノ・チェーザレ(1590頃-1630):
  音楽の旋律 [Musicali melodie] (1621、ミュンヘン)から La Gioia
 ジョヴァンニ・パオロ・チーマ:
  教会用コンチェルト集 から ヴァイオリンとヴィオローネの2声のソナタ
 アゴスティーノ・ゲッリエーリ(確認できる活躍期:17世紀前半):
  ヴァイオリン…ソナタ集 Op.1(1673、ヴェネツィア)から
   La Viviani(3声のソナタ)

レ・タンブル
 川久保洋子(ヴァイオリン) ミリアム・リニョル(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 ジュリアン・ヴォルフス(オルガン、チェンバロ)
ハルモニア・レニス
 水内謙一(リコーダー) 村上暁美(チェンバロ)

録音:2014年8月、モンヴァルザン、フランス

ブックレットに日本語解説を記載。

北イタリアでは1600年頃、「言葉は音よりも優位である」という考えに基づいた新しい声楽曲のスタイルが生まれた。この時期は、器楽の分野においても大きな変革の時代の始まりであった。前世紀の16世紀末では、器楽は主に、声楽曲の中で歌の声部と同じ音を重ねて演奏したり、歌を伴奏したりすることにしか使われなかった。器楽のレパートリーといえば、そのほとんどが声楽作品を編曲したものであり、その他にはシンプルな舞曲程度しかなかった。しかし16世紀が終る頃までに、器楽は新たな地位を獲得し始める。器楽のための作曲スタイルが現れるようになり、それによって新しい音楽形式が生み出されていった。ソナタ、トッカータ、コンチェルト、シンフォニアといった言葉は、それらの新しいジャンルの音楽を表すために作り出された、新しい音楽用語である。

レ・タンブルは、2009年に著名なブルージュ国際古楽コンクールに優勝した古楽アンサンブル。ヨーロッパや日本の主要なホールで演奏を行っているほか、ローカルなアウトリーチ企画によりバロック音楽の普及に精力を注いでいる。
ハルモニア・レニスは2009年にケルンで結成され、日本とヨーロッパ双方で演奏活動を行っている。これまでにNHK-BSプレミアム「クラシック倶楽部」およびNHK-FM「ベストオブクラシック」に出演。アンサンブル名は1700年にロンドンで出版された曲集に由来し、「ハルモニア」は「調和」を、「レニス」は「心地よい(上品な)」を意味する。
レ・タンブルとハルモニア・レニスは2010年よりヨーロッパ各地、日本でコラボレーションを行っている。

川久保洋子は桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学卒業、東京芸術大学音楽学部古楽科修士課程修了。2010年6月、フランス国立リヨン高等音楽学校を優秀な成績で修了する。2007年秋、イタリアロヴェレートで行われるプレミオ・ボンポルティ国際古楽コンクール、バロックヴァイオリン部門第4位入賞。これまでにヴァイオリンを吉田真紀、辰巳明子、バロックヴァイオリンを若松夏美、オディル・エドゥアルに師事。日本、ヨーロッパ各地で様々なアンサンブルのメンバーとして演奏活動また録音活動をしている。ル・コンセールフランセ(ピエール・アンタイ)、インコニティ(アマンディーン・ベイエール)、コンチェルト・ソアーヴェ(ジャン=マルク・エイム)、オーケストラ・リベラ・クラシカ(鈴木秀美)、バッハ・コレギウム・ジャパン(鈴木雅明)、メディオ・レジストロ(古橋潤一)のメンバー。

ミリアム・リニョル [Myriam Rignol] は7歳よりヴィオラ・ダ・ガンバをクリスチャン・サラに師事。その後16歳でリヨン国立高等音楽学校に入学、マリアンヌ・ミュラーのクラスに在籍し、2010年6月優秀な成績で修了する。在学中ドイツのケルン音楽学校でライナー・ツィパーリングのクラスで研鑚を積む。2009年6月、ドイツのケーテンで行われるバッハ=アーベル国際ヴィオラ・ダ・ガンバコンクールで第2位。2010年5月、山梨古楽コンクールにて最高位受賞。2011年8月、ベルギーのブルージュ国際古楽コンクール第2位&聴衆賞受賞。レザール・フロリサン(ウイリアム・クリスティー)、アンサンブル・ピグマリオン(ラファエル・ピション)、アンサンブル・コレスポンドンス(セバスチャン・ドセ)など様々なアンサンブルのメンバーとしてコンサート・録音活動を行っている。

ジュリアン・ヴォルフス [Julien Wolfs] はベルギー、ジュードーニュの音楽院にてチェンバロをはじめる。オランダのアムステルダム音楽院でメノ・ファン・デルフトのクラスに在籍、2009年6月修士課程を優秀な成績で修了する。在学中にフランスリヨン国立高等音楽院に交換留学しフランソワーズ・ランジュレに師事。2007年8月、ブルージュで行われる国際古楽コンクール・チェンバロ部門にてベルギー人で初めて1位なしの2位&聴衆賞・ミンコフ出版賞を受賞。現在、リヨン織物・装飾博物館のオリジナル・チェンバロの調整を定期的に行っている。これまでにワロニ―・フェスティヴァル、フランドル・フェスティヴァルや、アムステルダム・コンセルトヘボウ、ボザールなどベルギーを中心に各地でリサイタルを行い、ラジオ録音もされている。

水内謙一は東京芸術大学音楽学部楽理科卒業。在学中に音楽学を専攻する傍らリコーダー演奏の研鑚を積む。2003年よりドイツ・ケルン音楽大学に留学。2008年に同大学ディプロマ課程リコーダー科を卒業し、演奏家ディプロマを取得。その後同大学国家演奏家資格課程にてリコーダーを専攻。同時に古楽アンサンブルを専攻し、2009年に同大学同専攻を卒業。渡欧中はケルンを中心に、ソロやアンサンブルで演奏活動を行う。2009年に日本へ帰国。帰国後は各地で活発に演奏活動を行うほか、指導にも力を注いでいる。リコーダーを向江昭雅、ドロテー・オーバーリンガー、カリン・ファン・ヘールデンの各氏に師事。室内楽をライナー・ツィッパリング、シェティル・ハウグサンの両氏に師事。2013年、NHK-BSプレミアム「クラシック倶楽部」およびNHK-FM「ベストオブクラシック」に出演。またリコーダー講師としてNHKラジオ高校講座「音楽?」に出演。2014年のヨーロッパツアーではフランスとベルギーで7つの音楽祭に出演し、CD録音も行う。

村上暁美は上野学園大学音楽学部器楽学科チェンバロ専攻卒業、桐朋学園大学音楽学部研究生チェンバロ専攻修了。その後ケルン音楽大学チェンバロ科を最優秀の成績で卒業し、演奏家ディプロマ及びドイツ国家演奏家資格を取得。またケルン音楽大学、ヨーロッパ各地の講習会等でコレペティトゥーアとして学生の指導にもあたる。現在はアジア、ヨーロッパ各地でソロやアンサンブル、オーケストラのソリストとして、国内外で活発な演奏活動を行っている。2013年、NHK-BSプレミアム「クラシック倶楽部」およびNHK-FM「ベストオブクラシック」に出演し、好評を博す。2014年にはフランスとベルギーで数々の音楽祭に出演し、CDレコーディングも行う。チェンバロを渡邊順生、シェティル・ハウグサンの両氏に、アンサンブルをライナー・ツィッパリングに師事。第23回国際古楽コンクール〈山梨〉チェンバロ部門において最高位を受賞。

以上、ブックレットおよび演奏者の公式ウェブサイトからの転載です。


FLORA 3615
(1CD)
廃盤
ジョヴァンニ・マルティーノ・チェーザレ(1590頃-1667):
  「音楽の旋律(ムジカーリ・メロディエ)」(1621)
   La Vittoria / Beata es Virgo / Jubilate Deo / Salve Regina / La Fenice
   La Bavara / La Monachina / Isti sunt duae olivae / Sancta Maria
   Veni sponsa Christi / La Lioannina / La Massimiliana / La Augustana
   O Domine Jesu Christe / Cantate Dominum / Gabriel Angelus / La Foccarina
   La Hieronyma / La Giorgina / O Domine Jesu Christe / Domine Exaudi
   Laudate Pueri / Assumpta est Maria / La Gioia / La Famosa / La Constanza
   Eco / Benedicam Dominum

レ・サックブーティエ
 ギュメット・ロランス、マリー=クロード・ヴァラン(ソプラノ)
 ジャン=ルイ・コモレット、ジャン=イヴ・ゲリ(男性アルト)
 ジョン・エルウィズ、ブリュノ・ボテルフ(テノール)
 ベルナール・ファブル=ガリュス、イヴ・ベルジュ(バス)
 ジャン=ピエール・カニャック、フィリップ・マタレル、ジャン・テュベリ(コルネット[ツィンク])
 ダニエル・ラサル(テナーサックバット)
 ベルナール・フルテ(サックバット、セルパン) ステファン・レジェ、ニコラ・ヴァラード(サックバット)
 ブリギット・トイブル、グナール・レツボール(ヴァイオリン)
 ローレンツ・ドゥフトシュミット(ヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴィオローネ)
 クリスティーナ・プルハル(ハープ) シャルル=エドゥアール・ファンタン(キタローネ、テオルボ)
 ヤン・ウィレム・ヤンセン(オルガン、チェンバロ)

録音:1996年1月、未詳 前出:Accord, 205532, 476064(廃盤)

ジョヴァンニ・マルティーノ・チェーザレはイタリアのウディーネに生まれた作曲家・コルネット(ツィンク)奏者。アウクスブルク(ドイツ)近郊ギュルツブルクのカール・フォン・エスターライヒの宮廷、1615年よりミュンヘンのバイエルン公マクシミリアン1世の宮廷で活躍したことがわかっています。「音楽の旋律(ムジカーリ・メロディエ)」は1〜5声部と通奏低音のための14の宗教的コンチェルト(モテット)14曲、および1〜6声部と通奏低音のための器楽曲(カンツォーナ)14曲から成っており、当盤には全28曲が収められています。19年前の録音ですが、ロランス、エルウィズ、ファブル=ガリュス、テュベリ、レツボール、ドゥフトシュミット、プルハル他そうそうたるメンバーが揃っており、古楽ファンにはたいへんうれしい復活と言えるでしょう。


FLORA 3916
(1CD)
栄光の王 オクシタニア神話におけるアラブ音楽の影響
 不詳:Fanfare pour la croisade / Imtidad / Fauvel nous a fait present
 ベルトラン・デ・ボルン [Bertran de Born](1140頃-1215以前):Rassa Tant Creis
 不詳:
  Makam Huseyni Sakil / Domino suite ins sur Cantus Firmus / Mowachah Biladi
 ベルナルト・デ・ヴェンタドルン [Bernard de Ventadorn]
  (1130/1145頃-1190/1200頃):Conorts ara sai ieu ben
 ブヒル・ザデ・ムスタファ・ヒリ [Buhuri Zade Mustafa Hiri]:Hisar Agir Semai
 不詳:In Pro Estampie / A l'Entrada del Temps Clar / Roukoud
 不詳(アプト写本 より):Bombarde Credo instrumental
 ギラウト・デ・ボルネーユ [Girau de Bornèlh] (1138頃-1215):Reis Glorios
 ヨハンネス・チコーニア [Johannes Ciconia] (1373頃-1412):
  O Felix Templum Jubila
 不詳:Ayour
 不詳(モンセラートの朱い本 [Livre Vermeil Montserrat] より):
  Sext Estampie Royale Estampie / Imperaritz de la Ciutat Ioyosa
  Los set Gotxs Recomptarem / Maria Matrem Virginem
  Stella Splendens in Monte / Ad Mortem Festinamus

ピエール=イヴ・ビナール(バリトン)
レナット・ジュリエ(バリトン、朗読)
レ・サックブーティエ
 ジャン=ピエール・カニャック(コルネット[ツィンク])
 フィリップ・カンギレム(ショーム、ボンバルド、中世リコーダー)
 ダニエル・ラサル(サックバット)
 ルシール・テッシェ(ボンバルド、中世リコーダー)
 ダニエル・ラサル(サックバット)
 ジョデル・グラッセ=猿渡(中世リュート、レベック、ウード、プサルテリウム)
 フローラン・ティセール(タンブール、ダフ、パンデレータ、ダラブッカ、薪、鐘)
 ゲスト:
 ピエール・アモン(中世リコーダー、ダブルフルート、パンフルート、バンスリ、コルヌミューズ)
 ドリス・エル・マルミ(ウード、歌)

録音:2015年10月、 L'annexe Barriere de Paris、トゥールーズ地方音楽院、
    トゥールーズ、フランス

レ・サックブーティエがモロッコのウードの名手ドリス・エル・マルミ(1970年生まれ)のアシストを得て組み上げたプログラム。フランス南部一帯、かつてオック語が話されていた(現在でも話されている地域も有ります)中世のオクシタニアへのアラブ文化の影響をテーマとし、オクシタニアの作者不詳の伝承音楽、12世紀から13世紀にかけてオック語で宮廷の恋愛を歌ったトルバドゥールの作品、オクシタニアに隣接するカタルーニャに残る「モンセラートの朱い本」所収の音楽等から楽曲が選ばれています。レ・サックブーティエが中世音楽に進出するとは意外に思われましたが、オック語トラッドの名歌手レナット・ジュリエ、中世フルート系楽器の名手ピエール・アモン、そしてドリス・エル・マルミを招いたその演奏は格調高く、理屈でなく音楽そのものでリスナーを「文化のるつぼ」に引き込み楽しませてくれます。雰囲気豊かな優秀録音で80分弱たっぷり収録。


FLORA 4016
(1CD)
ヨハン・ヤコプ・フローベルガー(1616-1667):瞑想 チェンバロ作品集
  トッカータ、ファンタジア、カンツォーナ、アルマンド、クラント、サラバンド、
   ジグと様々なパルティータ集第2巻(1649)から Toccata II / Canzon II
  ジング=アカデミー・ベルリンの手写本 SA 4450 から
   Méditation faite sur ma mort future [気たるべき死についての瞑想],
   Gigue, Courante, Sarabande
  トッカータ、リチェルカーレ、カプリッチョ、アルマンド、ジグ、クラント、
   サラバンド集第4巻(1656)から Toccata IX
  ジング=アカデミー・ベルリンの手写本 SA 4450 から
   Affligée et Tombeau sur la mort de Monsieur de Blanrocher
    [ブランクロシェ氏の死に寄せるトンボー]
  トッカータ、ファンタジア、カンツォーナ、アルマンド、クラント、サラバンド、
   ジグと様々なパルティータ集第2巻 から Fantasia VI
  Capriccio X(Edition Le Pupitre)
  カプリッチョとリチェルカーレ集(1657/1658)から Ricercar V
  ジング=アカデミー・ベルリンの手写本 SA 4450 から
   Allemande faite en passant le Rhin dans une barque en grand péril
    [ライン渡河の船中で重大な危険に遭遇して書いたアルマンド],
   Courante, Sarabande, Gigue
  トッカータ、リチェルカーレ、カプリッチョ、アルマンド、ジグ、クラント、
   サラバンド集第4巻 から
   Lamento Lamento Sopra la dolorosa perdita della Real M(aje)stà di
    Ferdinando IV, Rè de Romani &c
    [ローマ王フェルディナント4世陛下の悲しき死に寄せる哀歌],
   Gigue, Courante, Sarabande / Toccata X
  ジング=アカデミー・ベルリンの手写本 SA 4450 から
   Lamentation, faite sur la très douloureuse mort de Sa Majesté Impériale,
    Ferdinand le Troisième
    [皇帝フェルディナント3世陛下の悲しき死に寄せる哀歌]

ジュリアン・ヴォルフス(チェンバロ)

録音:2015年10月、ボーフェ、ベルギー
使用楽器:Jean-Luc Wolfs-Dachy(モデル:Ioannes Ruckers, 1624)

上記 FLORA 3213 でフィリップ・ピエルロと共演した一年半後、ジュリアン・ヴォルフスが録音した彼の初のソロCD。以下は彼が所属するアンサンブル「レ・タンブル」の公式ウェブサイトに掲載されたプロフィールです。
ジュリアン・ヴォルフスはベルギー、ジュードーニュの音楽院にてチェンバロをはじめる。オランダのアムステルダム音楽院でメノ・ファン・デルフトのクラスに在籍、2009年6月修士課程を優秀な成績で修了する。在学中にフランスリヨン国立高等音楽院に交換留学しフランソワーズ・ランジュレに師事。2007年8月、ブルージュで行われる国際古楽コンクール・チェンバロ部門にてベルギー人で初めて1位なしの2位&聴衆賞・ミンコフ出版賞を受賞。現在、リヨン織物・装飾博物館のオリジナル・チェンバロの調整を定期的に行っている。これまでにワロニ―・フェスティヴァル、フランドル・フェスティヴァルや、アムステルダム・コンセルトヘボウ、ボザールなどベルギーを中心に各地でリサイタルを行い、ラジオ録音もされている。


FLORA 4118
(1CD)
ジョヴァンニ・パオロ・チーマ (1570頃-1622) : 教会コンチェルト集 (1610)
  主においてに皆感謝せよ [Gaudeamus Omnes] (4声)
  ソナタ 50 イン・エコー [Sonata 50 in eco] (4声)
  おお、聖なる宴 イン・エコー [O sacrum convivium in eco] (2声)
  起き上がれ イン・エコー [Surge propera in eco] (2声)
  聴きたまえ、主よ [Exaudi Domine] (2声)
  カプリッチョ [Capriccio] (2声)
  ソナタ ト調 [Sonata in sol] (2声)
  主に感謝せよ [Confitemini Domino]
  来たれ、キリストの花嫁 [Veni sponsa Christi]
  ソナタ ニ調 [Sonata in re] (2声)
  神に歓呼せよ [Jubilate Deo] (2声)
  ソナタ 51 [Sonata 51] (4声)
  私は美女を見た [Vidi speciosam] (3声)
  それは誰か [Quae est ista] (3声)
  私は主を祝福する [Benedicam Dominum] (2声)
  ソナタ イ調 [Sonata in la] (3声)
  カンツォン IV「平和」 [Canzon IV "La Pace"]
  彼らは飾った [Ornaverunt] (5声)
  マリアは昇天した [Assumpta est Maria] (8声)

レ・サックブーティエ
 アドリアナ・フェルナンデス (ソプラノ)
 ピエール=イヴ・ビナール (テノール)
 エレーヌ・メドゥ (ヴァイオリン)
 ジャン=ピエール・カニャック (コルネット [ツィンク])
 ダニエル・ラッサール (テナー・サックバット)
 ジョエル・カスタン (バス・サックバット)
 アンヌ・ゴーリエ (ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 ミゲル・リンコン (テオルボ)
 ヤスコ・ブヴァール (オルガン)

録音 : 2017年10月、サン=サヴァン修道院、サン=サヴァン、フランス

ジョヴァンニ・パオロ・チーマはルネサンス末期からバロック初期にかけてミラノで活躍したイタリアの作曲家・オルガン奏者。モンテヴェルディの教会音楽への挿入曲として器楽作品が演奏・録音されることはよくありますが、CD一枚丸ごとチーマが取り上げられるのは珍しいことです。

FLO 4218
(1CD)
クープラン『王宮のコンセール』
 フランソワ・クープラン(1668-1733):
  王宮のコンセール(全4曲;1722)
   第1のコンセール/第2のコンセール/第3のコンセール/第4のコンセール

レ・タンブル
 川久保洋子、マイテ・ラルブル・ガルメンディア(ヴァイオリン)
 エリーズ・フェリエール(リコーダー)
 ステファニー・トロッファース(フラウト・トラヴェルソ)
 ブノワ・ローラン(オーボエ、グランド・フリュート)
 ミリアム・リニョル、マティルド・ヴィアル(ヴィオール[ヴィオラ・ダ・ガンバ])
 ダナ・カルモン(バスーン)
 ニコラ・ミュズィ(テオルボ、バロックギター)
 ジュリアン・ヴォルフス(クラヴサン[チェンバロ])

録音:2017年7月、フラーヌ=ル=シャトー(フランス東部フランシュ=コンテ地方)

フランス・バロックの粋、ここに ― バロック・オーボエに縦横の笛、ヴァイオリン、ヴィオール、撥弦とクラヴサン・・・フランス語圏の古楽界最前線、名手たちの饗宴。
フランス宮廷芸術らしさ ― それが極限まで追求された太陽王ルイ十四世時代のフランスで活躍をみせ、ルイ十五世の時代にはイタリア音楽へのひそやかな愛着もあらわにした多面的なる作曲家、フランソワ・クープラン。フランスとイタリア、異なる二つの様式のあいだ、こまやかな音の交錯がきわだつ室内合奏曲=コンセールの代表作は、作曲家がなじんでいた言語=フランス語と日常的に親しんでいる古楽器奏者の演奏でこそ、その真価がきわだつのではないでしょうか。欧州古楽界のさまざまな一流グループで多忙な活躍をみせる俊才たちをゲストに、総勢10名の拡大編成で臨んだレ・タンブルの録音で、そのみずみずしい魅力をいま、じっくり・・・


FLORA 4320
(2CD)
ディートリヒ・ブクステフーデ (1637頃-1707) : ソナタ集 Op.1 & Op.2
  [CD 1]
  ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のための7つのソナタ Op.1 (1694)
   第1番 ヘ長調 BuxWV 252 / 第2番 ト長調 BuxWV 253 / 第3番 イ短調 BuxWV 254
   第4番 変ロ長調 BuxWV 255 / 第5番 ハ長調 BuxWV 256
   第6番 ニ短調 BuxWV 257 / 第7番 ホ短調 BuxWV 258
  [CD 2]
  ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のための7つのソナタ Op.2 (1696)
   第1番 変ロ長調 BuxWV 259 / 第2番 ニ長調 BuxWV 260 / 第3番 ト短調 BuxWV 261
   第4番 ハ短調 BuxWV 262 / 第5番 イ長調 BuxWV 263 / 第6番 ホ長調 BuxWV 264
   第7番 ヘ長調 BuxWV 265

レ・タンブル
 川久保洋子 (ヴァイオリン)
 ミリアム・リニョル (ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 ジュリアン・ヴォルフス (チェンバロ)

録音 : 2020年10月

J・S・バッハに多大な影響を与えたブクステフーデ。当時出版され現存する室内楽作品はこれら14曲のソナタがすべてです。北ドイツ中期バロックを代表する室内楽曲であり、ヴィオラ・ダ・ガンバの活躍が目立ちます。


FLORA 4418
(1CD)
リチャード・ジョーンス (?-1744) :
  ヴァイオリンと通奏低音のためのチェンバー・エア集 Op.2 (1735) から
   エア イ短調
   エア 変ロ長調 & ホ短調
   エア イ長調
   エア ハ短調

ザ・ベガーズ・アンサンブル
 オーギュスタン・リュッソン (ヴァイオリン)
 ダリア・ゼメレ (チェンバロ)
 マティアス・フェレ (ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 カミーユ・デュポン (チェロ、バス・ド・ヴィオロン)
 マテュー・リュッソン (ヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴィオローネ)
 ルシール・テッシェ (ファゴット)

録音 : 2017年10月27-30日、ポワティエ、フランス

リチャード・ジョーンズはヘンデルと同時代に活躍した英国の作曲家・ヴァイオリン奏者。生年が不明である等その生涯については詳細が知られておらず、作曲された劇場作品の楽譜は失われています。ヴァイオリンと通奏低音のための8つのエア (アリア) から成る Op.2 はヴァイオリニストでもあった彼の音楽をうかがい知ることができる、残された貴重な曲集のひとつです。ジョーンズの作風にはイタリア音楽の影響が大きく、この録音を聴いても「イタリアの作曲家ではないの?」と思えるほどです。
ザ・ベガーズ・アンサンブルはラトヴィアのチェンバロ奏者ダリア・ゼメレ (Daria Zemele) とフランスのヴァイオリン奏者オーギュスタン・リュッソン (Augustine Lusson) により2016年に創立。オーギュスタン・リュッソンは1996年生まれ。パリでパトリック・ビスミュットに、リヨンでオディール・エドゥアールに師事。また一人、注目すべきバロック・ヴァイオリニストが現れました!


FLORA 4519
(1CD)
新スペインの音楽の旅 エルナン・コルテスの足跡をたどって
 不詳 (サンタ・エウラリア [Santa Eulalia] 写本 (1556) 2, 7 & 8) : Sorsayal / Fahuana / Asculo
 ガスパル・フェルナンデス (1565-1629) : Venimo can glan contento
 ホセ・ヒメネス (1600-1672) : バタリャ 第6旋法 [Batalla de sexto tono]
 ガスパル・フェルナンデス : A no teneros mi Dios (4声)
 フアン・ガルシア・デ・セペデス (1619-1678) : ラ・グアラチャ [La Guaracha]
 ガスパル・フェルナンデス : Oh labios decidme vos / Tañe Gil tu tamborino (6声)
 不詳 (サンタ・エウラリア [Santa Eulalia] 写本 6 & 7) :
  Te re re que zaza / Y technepa sacramento
 不詳 (サンタ・エウラリア [Santa Eulalia] 写本 8) : われを憐れみたまえ [Miserere Mei]
 不詳 (サンタ・エウラリア [Santa Eulalia] 写本 7) :
  El fiel peso y medida / Sed Miguel fuerça y escuto
 サンティアゴ・デ・ムルシア (1673-1739) : タランテリャ [Tarantella]
 不詳 : No hay que decirle le el primor
 ガスパル・フェルナンデス : Ven y verás, zagalejo
 フアン・ペレス・ボカネグラ (1598-1631) : Hanacpachap cussicuinin
 不詳 (サンタ・エウラリア [Santa Eulalia] 写本 1) : Oy hacemos fiesta
 不詳 (サンタ・エウラリア [Santa Eulalia] 写本 4) : Oy sube nuestra esperanza
 不詳 (サンタ・エウラリア [Santa Eulalia] 写本 7) : Si tanta gloria se da / Victoria quien a vencido
 不詳 (サンタ・エウラリア [Santa Eulalia] 写本 6) :
  聖母マリアよ、われらのために祈りたまえ [Sancta Maria ora pro nobis]
 フアン・アラネス (15??-1649) :
  良き生活へのチャコナ [Chacona a la vida bona] (Un sarao de la chacona)

レ・サックブーティエ
 アドリアナ・フェルナンデス (ソプラノ)
 ダビド・サガストゥメ (男性アルト)
 ビクトル・サルド (テノール)
 ダニエーレ・カルノヴィク (バス)
 ジャン=ピエール・カニャック (コルネット [ツィンク])
 ダニエル・ラッサール (サックバット)
 フィリップ・カンギレム (ショーム)
 ローラン・ル・シュナデク (ドゥルツィアン、バロックファゴット)
 エドゥアルド・エグエス (リュート、ギター)
 フローラン・ティセール (打楽器)
 ヤスコ・ブヴァール (ポジティヴ・オルガン)

録音 : 2018年11月、ヴィラ・ダルティ礼拝堂、バニェール=ド=リュション、フランス

キューバからメキシコに侵入しアステカ帝国を征服したスペインのコンキスタドール、エルナン・コルテス (1485-1547) の足跡をたどり、16世紀に新スペイン (中米) に浸透していったスペイン系音楽を俯瞰するプログラム。


FLORA 4619
(1CD)
あるイングランド人のバラッド
 不詳 : グリーンスリーヴズによるディヴィジョン [Division on Greensleevs]
 ジェレマイア・クラーク (1674-1707) : 地方の農夫 [The country farmer] (*)
 ジョン・ブロー (1649-1708) : 前奏曲 & 老いた男の望み [Prelude & An old man's wish] (*)
 ジョヴァンニ・ジローラモ・カプスペルガー (1580-1651) : スペインのビラン [Villan di Spagna]
 ヘンリー・パーセル (1659-1695) : 男は女のために作られる [Man is for the woman made] (*)
 クリストファー・マーロー (1564-1593) 作詩/不詳 :
  一緒に暮らそう、恋人になってくれ [Come live with me and be my love] (恋する羊飼い) (*)
 ヘンリー・パーセル : ホーンパイプ [Hornpipe] −
  ジェレマイア・クラーク : メアリーは野暮ったい娘だった [Mary was a dowdy Lass] (*)
 トマス・バルツァー (1630頃-1663) & クリストファー・シンプソン (1605頃-1669) :
  「ジョン、キスしてちょうだい」によるディヴィジョン [Divisions on John Come kiss me know]
 ウィリアム・ヤング (?-1662) : サラバンド [Sarabande] −
  ジェレマイア・クラーク : 若いコリドンとフィリス [Young Corydon and Phyllis] (*)
 ヘンリー・パーセル : 彼女は愛し、告白もする [She loves and she confesses too] (*)
 サミュエル・エイクロイド [アキロイド] (1684-1706) :
  ああ、フィリス、あなたはなぜあまり優しくないのか [Ah Phyllis why are you less tendre] (*)
 ウォルター・ローリー (1552-1618) 作詩 :
  ニンフたちが羊飼いに返事する [The nymphs reply to the shepherd] (*)
 ヘンリー・パーセル : おお、孤独よ [O solitude] (*)
 不詳 : グリーンスリーヴス [Greensleeves] (*)
 ジョン・ブロー : エア [Ayre]
 クリストファー・シンプソン : プロルジオ [Prolusio] −
 ニコラス・ラニアー (1588-1666) : 死にゆく恋人 [The dying lover] (*)
 ヘンリー・パーセル :
  ここで私の人生を [Here let my life] (*)
  近付きなさい、不平を言う恋人たちよ [Draw near, you lovers that complain] (*)

ジェフリー・トンプソン (テノール (*))
フィリップ・ピエルロ (ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ダニエル・サピコ (テオルボ、ギター)

録音 : 2018年8月、ボーフェ、ベルギー

レザール・フロリサンのメンバーとしておなじみのテノール、ジェフリー・トンプソン (アメリカ合衆国出身) が17世紀のイングランド人になり、様々な感情を体験する「心の旅」のプログラム。
ダニエル・サピコ (1983年生まれ) はカタルーニャ高等音楽学校 (バルセロナ) でシャビエ・ディアス=ラトーレに師事したスペインのテオルボ奏者。フィリップ・ピエルロ率いるリチェルカール・コンソートのメンバーでもあります。リュート奏者と名乗らないところがユニークです。


FLORA 4720
(1CD)
フィリップ・ピエルロの『瞑想』
 無伴奏ヴィオラ・ダ・ガンバのための音楽

 トバイアス・ヒューム (1569年頃-1645) :
  Meditation / A Humorous Pavin / Harke, Harke / A Question An Aunswere
  Be merry a day will come. Beccus an Hungarian Lord his delight
  I am Melancholy
 サント=コロンブ (1640頃-1700) :
  Sarabande / Courante / Courante et double / Sarabande et double / Chaconne
 マラン・マレ (1656-1728) : Les Voix Humaines
 カール・フリードリヒ・アーベル (1723-1787) : Arpeggio / ( **) / Adagio
 J・S・バッハ (1685-1750) / フィリップ・ピエルロ (1958-) 編曲:
  Prélude / Sarabande / Menuet 1ere - Menuet 2de - Menuet 1ere Da Capo
 ヨハン・ヤーコプ・フローベルガー (1616-1667) / フィリップ・ピエルロ 編曲 :
  Meditation la quelle se joüe lentement avec discretion, faict sur ma Mort future
   [ゆっくりと慎重に演奏される、来るべきわが死についての瞑想曲]

フィリップ・ピエルロ (ヴィオラ・ダ・ガンバ)

録音 : 2020年9月、Santa Maria di Micciano 教会

早くも16世紀には「人間の声に限りなく近い、最も完璧な楽器」と見なされていたヴィオラ・ガンバ。現在この楽器の最も優れた奏者と評されるフィリップ・ピエルロが独り弾き通す無伴奏プログラム。


FLORA 4820
(1CD)
マティアス・ヴェックマン (1616頃-1674) : フロリレギウム
  ソナタ 第9番 / ソナタ 第10番 / トッカータ 第12旋法 / カンツォン
  パルティータ ニ短調 (アルマンド / クーラント / サラバンド / ジーグ)
  ソナタ 第3番 / ソナタ 第2番 / 御身イエス・キリストに称賛あれ
  神に称賛あれ / いざ喜べ / マニフィカト

コンチェルト・インペリアーレ
 フランツィシュカ・ハイドゥ (ヴァイオリン)
 フリッチョフ・スミス (コルネット [ツィンク])
 クシシュトフ・レヴァンドフスキ (ドゥルツィアン)
 エドヴァール・ヴァンマルセニユ (オルガン、チェンバロ)
 ファビアン・ムラール (サックバット、オルガン)

録音 : 2020年9月

マティアス・ヴェックマンは北ドイツ初期〜中期バロックを代表する作曲家の一人。ハインリヒ・シュッツ (1585-1672) を楽長とするドレスデンの宮廷楽団で活躍し、演奏対決で出会ったヨハン・ヤーコプ・フローベルガー (1616-1667) の親友となりました。1655年ハンブルクの聖ヤーコプ教会オルガニストに就任し生涯務めました。鍵盤楽曲、室内楽曲、教会音楽を残しています。


FLORA 5121
(1CD)
音楽の果樹園
 アルメニア伝承 : Hovern engan [風は静まった]
 ジョヴァンニ・デ・マック [Giovanni de Macque] (1548/1550-1614) : Prime stravaganze
 マカル・エクマリアン [Makar Yekmalian] (1856-1905) : Amen hayr sourp [アーメン、聖なる父]
 ベルナルド・ストラーチェ [Bernardo Storace] (確認できる活躍時期 : 1664頃) : Monica
 グリゴル・ナレカツィ [Grigor Narekatsi] (950-1003/1011) : Havik [小鳥]
 ジョヴァンニ・マリア・トラバーチ [Giovanni Maria Trabaci] (1575頃-1647) : Durezze e ligature
 アルメニア伝承 : Siretsi yares taran [私の愛する人は奪われた]
 アルメニア伝承 : Vardani mor voghbe [ヴァルダンの母の嘆き]
 グリゴル・ナレカツィ : Havun, havun [鳥、鳥]
 ジョヴァンニ・フェリーチェ・サンチェス [Giovanni Felice Sanches] (1600-1679) /
  アントニオ・ベルターリ [Antonio Bertali] (1605-1669) : Ciacconas
 ジョヴァンニ・デ・マック : Seconde stravaganze
 サヤト・ノヴァ [Sayat Nova] (1712-1795) : Ashkharums akh chim qashi [この世で私は悲しまない]

ルクス・ベアータ [Lux Beata]
 フレデリク・ヒルデブラント [Frederik Hildebrand]
  (トレブル・ヴィオラ・ダ・ガンバ、ターフ [tarhu]、ディレクター)
 ミロン・アンドレス [Miron Andres] (テノール・ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 レベッカ・ルフェーヴル [Rebecca Lefèvre] (ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 アンヌ・ベルナール [Anne Bernard] (ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 アンヌロール・ドゥヴァークル [Hannelore Devacre] (トリプル・ハープ)
 ヴァルダン・ホヴァニシアン [Vardan Hovanissian] (ドゥドゥク [duduk])

録音時期 : 2021年6月28-30日
録音場所 : 福音史家聖ヨハネ教会、ボーフェ、ベルギー
録音方式 : スタジオ、ステレオ、デジタル

このプログラムは17世紀初頭のナポリの音楽と伝統的なアルメニアのメロディーを融合させることで東西の文化的対話を提示し、二つのスタイルが一つのパフォーマンスで相互作用する機会を提供します。
『音楽の果樹園』のアイデアは、イタリアとアルメニアの文化における果物と庭園の象徴性から生まれました。17世紀イタリア音楽には調和の庭園 (giardino armonico) が遍在し、アルメニアのザクロとアプリコットは伝統的な衣装の色彩から食品、楽器に至るまであらゆるレベルで文化に浸透しています。
サンチェスとベルターリの「チャッコーナ」を除き、このプログラムのイタリア音楽は鍵盤楽器のために作曲され、その後ヴィオール・コンソート用に編曲されました。この慣習は作曲家の時代にまで遡るもので、本来ヴィオールのために作曲されたものではない音楽を編曲することによって新たなレパートリーを創造するという、私のアンサンブルの中心的な理念の一つとなっています。
アルメニアのレパートリーも同様で、西洋の楽器や奏法、特に今日われわれの知るところのピリオド楽器による歴史的考証に基づく演奏とは無関係です。わが国では口承による伝統は印刷された楽譜を読むことに取って代わられ、口承による実践と伝達は特定の資料の読解と分析に大きく依存するようになりました。これら二つを一つの演奏に統合する方法を見つけることは時に困難を伴いますが、西洋とアルメニアの両方の聴衆が私たちの作品に納得してくださることを願っています。
― フレデリク・ヒルデブラント


FLORA 5221
(1CD)
ドミニク・ヴィスの『恋する竪琴』
 17世紀イタリアの声楽とコルネット、サクバット

 ジョヴァンニ・フェリーチェ・サンチェス (1600-1679) :
  Acenti queruli (*) / Usurpator tiranno (*)
 ジョヴァンニ・バッティスタ・チェーザレ (1590-1667) : La Augustana
 タルクイニオ・メールラ (1594/1595-1665) : Su la cetra amorosa (*)
 ダリオ・カステッロ (1602-1631) : Sonata XVI
 バルバラ・ストロッツィ (1619-1677) : L'Eraclito amoroso (*)
 ルイージ・ロッシ (1597-1653) : Sinfonia e Passacaglia / Amanti se bramate (*)
 バルトロメオ・セルマ・イ・サラベルデ (1595-1638) : Canzon per soprano e basso
 ジローラモ・フレスコバルディ (1583-1643) : Se l'aura spira tutta vezzosa (*)

ドミニク・ヴィス (カウンターテナー (*))
レ・サックブーティエ
 ジャン=ピエール・カニャック (コルネット [ツィンク])
 ダニエル・ラッサール (サックバット)
 ヤスコ・ウヤマ=ブヴァール (オルガン)
 エレーヌ・メドゥ (ヴァイオリン)
 スーザン・エドワード (チェロ)
 エリック・ベロック (テオルボ)

録音 : 2020年11月、ラ・ヴィラ・アルティ、ルション、フランス

クラウディオ・モンテヴェルディ (1567-1643) が提唱した 「第二作法」 (テキストから音楽が生まれる) に導かれて発展した17世紀イタリアの音楽。そこでは人の声と、それを模倣する楽器の対話や融合が試みられました。アルバム・タイトルの『恋する竪琴』は収録されているメールラの 「Su la cetra amorosa」 から採られたもので、オルフェウスが彼の竪琴で表現する多種多様な表現を示しています。
録音時点で65歳のドミニク・ヴィスの歌唱はますます自由闊達。レ・サックブーティエの名奏者たちと生気溢れるパフォーマンスを繰り広げています。


FLORA 5321
(1CD)
ジャン=マリー・ルクレール Elite de bons mots
 ジャン=マリー・ルクレール [Jean-Marie Leclair] (1697-1764) :
  やさしい音楽の気晴らし 第1集 [Première Récreation de musique d'une exécution facile] Op.6 から
   序曲
  6つのヴァイオリン協奏曲 Op.7 から
   第1番 ニ短調
   第2番 ニ長調
 ジャン=バティスト・バリエール [Jean-Baptiste Barrière] (1707-1747) :
  チェロと通奏低音のための6つのソナタ Op.2 から 第6番 ハ短調
 ジャン=マリー・ルクレール :
  6つのヴァイオリン協奏曲 Op.10 から 第6番 ト短調
  やさしい音楽の気晴らし 第2集 [Deuxièmes Récreation de musique d'une exécution facile] Op.10 から
   シャコンヌ [Chaconne]

ベガーズ・アンサンブル [The Beggar's Ensemble]
 オーギュスタン・リュッソン [Augustin Lusson] (ヴァイオリン、ディレクター)
 ルイーズ・エアトン [Louise Ayrton]、ダヴィド・ラビノヴィチ [David Rabinovici]、
 畑野達哉 [Tatsuya Hatano] (ヴァイオリン、ヴィオラ)
 斎藤由香 [Yuka Saito] (ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 フランソワ・ガロン [François Gallon] (チェロ)
 マテュー・リュッソン [Mmatthieu Lusson] (ヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴィオローネ)
 ユーエン・カディウ [Youen Cadiou] (コントラバス)
 ダリア・ゼメレ [Daria Zemele] (チェンバロ)

録音時期 : 2021年6月11-15日
録音場所 : TAP、ポワティエ、フランス
録音方式 : スタジオ、ステレオ、デジタル

フランス・ヴァイオリン楽派の創始者ルクレールの、古典派への橋渡しとなったとされるヴァイオリン協奏曲集 作品番号7と10からの3曲をメインとしたアルバム。
オーギュスタン・リュッソンはリヨン国立音楽院でオディール・エドゥアールに師事し、ラ・プティト・バンド等のメンバーを務めたフランスのバロック・ヴァイオリニストで、ベガーズ・アンサンブルの共同創立者。

Jean-Marie Leclair - Elite de bos mots / The Beggar's Ensemble, Augustin Lusson-->

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輸入・発売:サラバンド