フローラ
 
Flora (English/Français)
ヴァイオリンのフランソワ・フェルナンデス、ヴィオラ・ダ・ガンバのフィリップ・ピエルロ、チェロのライナー・ツィパーリング、 3人のピリオド楽器の名手の自主制作レーベルです。本拠地はベルギーのリエージュ。すでにヴェテランの域に達した彼ら三人が 満を持して取り組んだバッハの有名曲の録音の登場は、古楽ファンを驚喜させずにはおかないことでしょう。スリムで美しいパッケージも 特徴的です。
特記したもの以外、ブックレットは付かない仕様となっております。ご了承ください。

0102
ハイドン
 バリトン、ヴィオラと低音楽器のための3声のディヴェルティメント集
  ハ長調 Hob.XI:101/イ長調 Hob.XI:66/ロ短調 Hob.XI:96/ト長調 Hob.XI:70
  ニ長調「エステルハージ公の誕生を祝して」Hob.XI:97

フィリップ・ピエルロ(バリトン)
フランソワ・フェルナンデス(ヴィオラ)
ライナー・ツィパーリング(チェロ)

録音:2001年12月、ベルギー、アルデンヌ、バス=ボデュー教会

ここでのバリトン(Baryton)は弓で奏する弦楽器で、ハンガリーのエステルハージ侯が好んだため、彼に仕えていたハイドンは この楽器のためのにたくさんの曲を書きました。レーベルの三枚看板が揃ったこの演奏は実に達者で、ディヴェルティメントらしい、 リラックスした楽しさにあふれています。


0202
(2CD)
J・S・バッハ
 無伴奏チェロ組曲
  第1番ト長調 BWV1007/第2番ニ短調 BWV1008/第3番ハ長調 BWV1009
  第4番辺ホ長調 BWV1010/第5番ハ短調 BWV1011/第6番ニ長調 BWV1012*

ライナー・ツィパーリング(チェロ)

録音:2002年8月、ベルギー、ブラ・シュ・リエンヌ
使用楽器:
 1786年、ヴィンツェンツォ・トルシアーノ・パノルモ製
 1750年、ルドヴィクス・グェルサン製5弦ピッコロ・チェロ*

アンナー・ビルスマにチェロを、ヴィーラント・クイケンにヴィオラ・ダ・ガンバを師事、18世紀オーケストラ、カメラータ・ケルン等 のメンバーを務めるツィパーリング。師匠ビルスマを思わせる大胆さもかいま見せる、みごとな演奏です。


0302
J・S・バッハ
 ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集
  ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV1023*
  ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロ・オブリガートのためのソナタ BWV1028
  チェンバロとヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ BWV1027
  ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロ・オブリガートのためのソナタ BWV1029

フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ケネス・ワイス(チェンバロ)
ライナー・ツィパーリング(ヴィオラ・ダ・ガンバ*

録音:2002年9月、ベルギー、ブラ・シュ・リエンヌ
使用楽器:1718年、バラク・ノーマン製

ヴィーラント・クイケンに師事、リチェルカール・アンサンブルのリーダーを務めるピエルロ。比較的穏やかな運びの中に旋律をしっか り歌わせた、優れた演奏です。共演者も巧み。BWV1023*はヴァイオリン・ソナタとして知られている曲。


0402
J・S・バッハ
 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ Vol.1
  ソナタ第1番ト短調 BWV1001
  パルティータ第1番ロ短調 BWV1002
  ソナタ第2番イ短調 BWV1003

フランソワ・フェルナンデス(ヴァイオリン)

録音:2002年6月、ベルギー、アルデンヌ、バス=ボデュー教会
使用楽器:1690年、アンドレア・グァルニエーリ製


0403
J・S・バッハ
 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ Vol.2
  パルティータ第2番ニ短調 BWV1004
  ソナタ第3番ハ長調 BWV1005
  パルティータ第3番ホ長調 BWV1006

フランソワ・フェルナンデス(ヴァイオリン)

録音:2002年6月、ベルギー、アルデンヌ、バス=ボデュー教会
使用楽器:1690年、アンドレア・グァルニエーリ製

シキスヴァルト・クイケンに師事し、クイケン・クァルテットの第2ヴァイオリニストやラ・プティト・バンドのコンサートマスターを務めてきたフェルナンデスの「無伴奏」。彼は全曲の表題("Sei Solo a Violino senza Basso accompagnato")の冒頭にある「Sei Solo」を「6つの独奏曲」ではなく「あなたは一人である」という意味でとらえ、このCDの制作を自分一人だけで行うことにこだわりました。録音場所である教会にヴァイオリンを携えて一人でこもり、テープを回しっぱなしにして演奏、録音。編集とブックレット制作の技術的な面以外すべて、自分の手だけでこの全曲CDを完成させたのです。
卓越した技巧と音楽性を備えながら、恩師クイケンの活動を「二番手」として支え、日本の古楽ファンにとっては同窓の寺神戸亮やエンリコ・ガッティよりも目立たない存在かもしれないフェルナンデス。そんな彼が満を持して「自分で作り」、「自分たちのレーベルから世に出す」バッハの「無伴奏」を、じっくりと味わってみたいものです。


0503
ハイドンスコティッシュ・ソングズ
 ヨゼフ・ハイドン(1732-1809):
  バリトン、ヴィオラと低音楽器のための
   3声のディヴェルティメント(バリトン三重奏曲)ハ短調 Hob.XI:52
  スコットランド歌曲選集(1792)から(*)
   ホワイト・コッケード(白バラ)[The white cockade],
   メアリーの夢[Mary's dream],
   クッションを縫えるかい?[O can you sew cushions]
  バリトン、ヴィオラと低音楽器のための
   3声のディヴェルティメント(バリトン三重奏曲)イ長調 Hob.XI:87
  プロシアのフリードリヒ大王の死に寄せるドイツの嘆き
   (ピーター・ホルマン補筆完成)(*)
  バリトン、ヴィオラと低音楽器のための
   3声のディヴェルティメント(バリトン三重奏曲)ハ長調 Hob.XI:109
  スコットランド歌曲選集(1792)から(*)
   Fy gar rub her o'er wi' strae,O'er Bogie,
   朝早く起きて[Up in the morning early]

スーザン・ハミルトン(ソプラノ(*))
フィリップ・ピエルロ(バリトン[Baryton])
フランソワ・フェルナンデス(ヴィオラ)
ライナー・ツィパーリング(チェロ)

録音:2002年12月、ベルギー、ブラ=シュル=リエンヌ

フローラ・レーベルの三枚看板によるハイドン「バリトン三重奏曲集」の第2巻に当たるアルバム(前巻:FLORA 0102)。今回はスーザン・ハミルトンを迎え声楽作品を加えた構成となっています。
バリトンはヴィオラ・ダ・ガンバに似た楽器ですが、独特の構造として共鳴弦を持ち、それをネックの裏側から左手の親指でピツィカートで奏することができます。ハイドンが使えたエステルハージー侯ニコラウスがこの楽器を好んだため、ハイドンは1762年から1775年にかけて126曲にのぼるバリトン三重奏曲(ディヴェルティメント)を書きました。
「プロシアのフリードリヒ大王の死に寄せるドイツの嘆き」はソプラノ独唱と低音声部のみ現存している小カンタータ。フリードリヒ大王が亡くなったのが、エステルハージー侯がバリトンへの興味を失い、ハイドンがバリトン三重奏曲の作曲をやめてから10年以上経った1786年であることから、この作品をハイドンの真作としない研究者もいます。真の作曲者かもしれないとされているのは、ハイドンのもとでエステルハージー宮廷楽団のバリトン奏者を務めていたカール・フランツで、彼がハイドンの作品であると称した可能性があるとされています。
1791年から1804年まで、ハイドンは400を超えるスコットランドとウェールズの民謡を編曲しました。ここで演奏されているのは、ロンドンのウィリアム・ネイピアによって委嘱され出版された曲集から選ばれた歌曲。伴奏楽器の選択は演奏者の裁量に任せるとされており、ここでは譜面上のヴァイオリン・パートがバリトンまたはヴィオラで演奏されています。
ピエルロ、フェルナンデス、ツィパーリングの三人は去る5月に「熱狂の日音楽祭(ラ・フォルジュネ・オ・ジャポン)」のためにリチェルカール・コンソートとともに来日し、ハイドンのバリトン三重奏曲をトリオで聴かせ好評を博しました。
古楽ファンにはおなじみのスーザン・ハミルトンはスコットランド生まれ。「スコットランド歌曲集」を歌うにはまさに適材といえるでしょう。
ブックレットには歌詞テキストも掲載されています。


0603
マラン・マレ(1656-1728):
  音階およびさまざまな合奏の小品(1723)
   小オペラ形式の音階*
   マレ風ソナタ*
   聖ジュヌヴィエーヴ・デュ・モン教会の鐘

フランソワ・フェルナンデス(ヴァイオリン)
マルク・アンタイ(フラウト・トラヴェルソ*
フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ケネス・ワイス(チェンバロ)

録音:2003年10月、ベルギー、ブラ=シュ=リエンヌ教会
使用楽器:
 ヴァイオリン;エリク・ルールム製(モデル:アンドレア・グァルネリ製)
 フラウト・トラヴェルソ;ルドルフ・トゥツ製(モデル:IH・ロッテンブルグ製)
 ヴィオラ・ダ・ガンバ;1728年バラク・ノーマン製
 チェンバロ;1979年ヨープ・クリンクハンマー製

フランス・ヴィオル楽派の中心的作曲家マレが晩年に出版した、3つの個性的な大曲から成る作品集。 ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音にために書かれていますが、「小オペラ形式の音階」と 「マレ風ソナタ」では楽章によってフラウト・トラヴェルソがヴァイオリンの代わりに旋律を演奏したり、 重ねたりします。「聖ジュヌヴィエーヴ・デュ・モン教会の鐘」は映画「めぐり逢う朝」の サウンドトラック盤でファビオ・ビオンディとジョルディ・サヴァールらの演奏を聴くこともできます が、フェルナンデス、ピエルロ、ワイスによる演奏はずっとフランス的で、優雅さと詩情が感じられます。


0705
音楽の巨匠 カロルス・ハッカルト
 カロルス・ハッカルト(1640-1701?):
  「パルナス山の調和」Op.2(1686)から
   ソナタ第8番(4声)(v1/v2/or/th/g1/g2)
   ソナタ第7番(3声)(v1/cm/th/g1/g2)
   ソナタ第5番(3声)(v1/v2/cm/th/g1)
  「ケリュス」Op.3(ヴィオラ・ダ・ガンバのための12の組曲;1686)から
   サラバンド(g1/th)
 フィリップス・ヴァン・ヴィーヘル(1610-1675):
  「Fasciculus Dulcedinis」(1678)から ソナタ第8番(4声)(v1/or/th/g1/g2/g3)
 カロルス・ハッカルト:
  「パルナス山の調和」Op.2 から ソナタ第3番(3声)(v1/v2/cm/g1)
  「ケリュス」Op.3 から サラバンド(g1/th)
 フィリップス・ヴァン・ヴィーヘル:
  「Fasciculus Dulcedinis」から ソナタ第1番(v1/v2/cm/g1)
 カロルス・ハッカルト:
  「パルナス山の調和」Op.2 から ソナタ第6番(3声)(v1/v2/cm/th/g1)
  「ケリュス」Op.3 から サラバンド(g1)

フランソワ・フェルナンデス(ヴァイオリン(v1))
ルイス・オターヴィオ・サントス(ヴァイオリン(v2))
ロラン・ステュワート(チェンバロ(cm)、オルガン(or))
エドゥアルド・エグエス(テオルボ(th))
ライナー・ツィパーリング(ヴィオラ・ダ・ガンバ(g2)
上村かおり(ヴィオラ・ダ・ガンバ(g3))
フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ(g1))

録音:2005年5月18-21日、ベルギー、ブラ・シュル・リエンヌ

カロルス・ハッカルト[Calorus Hacquart]は現ベルギーのブルッヘ(ブルージュ)に生まれた作曲家・演奏家。おそらく1667年から1670年の間にアムステルダムに移住、オランダ人による最初のオペラとも言われる「勝ち誇った愛」を作曲するなどの活躍を見せました。1679年ハーグに移り、詩人で作曲家でもあったコンスタンティン・ホイヘンス(天文学・物理学者クリスティアーン・ホイヘンスの父)の庇護を受け、ホイヘンスから「音楽の大巨匠」と絶賛されたハッカルトは、彼のとりなしでナッサウ伯ヨハン・マウリッツ(ブラジル総督)の私邸で週一回演奏する機会を得ました。この私邸はフェルメール(1632-1675)の名画で知られる現在のマウリッツハイス美術館です。つまりハッカルトはフェルメールの同国・同時代人であり、近い場所で活躍していたことになります。1686年以降の彼の消息はほぼ不明となりますが、おそらく1701年か翌年に没したと考えられています。
ハッカルトの代表作「パルナス山の調和」は10曲のソナタ集で、これらはパーセルやコレッリのトリオ・ソナタに匹敵するとも言われる傑作。イタリアとフランス、さらにイギリスや低地地方(オランダ、フランドル)の趣味、そして教会ソナタと室内ソナタの形式のごく自然な融合が見られ、旋律の美しさやヴィルトゥオジティにも事欠かない非常に高次元な音楽といえます。「ケリュス」はヴィオラ・ダ・ガンバのための12の組曲から成る作品集で、ここではサラバンドが3曲選ばれています。併録されている2つのソナタの作曲者フィリップス・ヴァン・ヴィーヘルはブリュッセルで活躍した作曲家・ヴァイオリン奏者です。
これら極上の音楽を、フローラ・レーベルがオールスター・キャストが届けてくれるのが、このアルバムです。まさに至福の時が約束されています。最終トラックではピエルロがヴィオラ・ダ・ガンバをピチカートで通してサラバンドを演奏し、深い余韻を残します。
美麗ディジパック仕様。ブックレットも付いており、もちろん解説を英語で読むこともできます。


FLORA 0805
ヨゼフ・ハイドン(1732-1809):ピアノ三重奏曲集
  イ長調 Hob.XV:18/ニ短調 Hob.XV:23
  ハ長調 Hob.XV:21/変ホ長調 Hob.XV:10

ボヤン・ヴォデニチャロフ(フォルテピアノ)(*)
フランソワ・フェルナンデス(ヴァイオリン)
ライナー・ツィパーリング(チェロ)

録音:2005年12月17-20日、ブラ=シュル=リエンヌ
使用楽器:1980年、クリス・マーネ[Chris Maene]製
       (モデル:1785年、ヨハン・アンドレアス・シュタイン製)(*)

寺神戸亮(ヴァイオリン)のデュオ・パートナーとして日本でも知られるところとなったボヤン・ヴォデニチャロフ(1960年、ブルガリア生まれ)がフローラに登場。フェルナンデス、ツィパーリングとともに得意のハイドンを披露しています。ヴォデニチャロフは現在ベルギーのブリュッセル音楽院教授を務めており、モダーンとピリオドをまたにかけて活躍しています。


FLORA 0906
モーツァルト(1756-1791):
 フォルテピアノとヴァイオリンのためのソナタ集
  ソナタ ハ長調 K.303
  ソナタ変ロ長調 K.378
  フランスの歌「ああ、私は恋人をなくした」の主題(アンダンティーノ)による
   6つの変奏曲 K.360
  ソナタ変ロ長調 K.454

フランソワ・フェルナンデス(ヴァイオリン)
ボヤン・ヴォデニチャロフ(フォルテピアノ)

録音:2006年6月、ベルギー、ブラ=シュル=リエンヌ

『ハイドン:ピアノ三重奏曲集』(FLORA 0805)で共演していたフェルナンデスとヴォデニチャロフのデュオが登場。現在ベルギーのブリュッセル音楽院教授を務めているヴォデニチャロフ(1960年、ブルガリア生まれ)は寺神戸亮(ヴァイオリン)のデュオ・パートナーとしても知られています。


FLORA 1006
ヒューム大佐のインドへの旅
 トバイアス・ヒューム(1569頃-1646):
  ヒューム大佐のパヴァン(*)/兵士のガリアード−兵士の行進曲(*)
  聴け、聴け(*)/ガンバの精神(*)
  ポーランドのエア−ポーランドのヴィラネル(*)
  わが貴婦人はかわいらしい物を持っている(*)
  早く私をくすぐって−ティッケル、ティッケル(*)
  さらば、かわいい恋人よ(*)/私は憂鬱(*)
 ドゥルバ・ゴーシュ:川辺の日の出(+)
 トバイアス・ヒューム:死(*/+)
 ドゥルバ・ゴーシュ:ヒュームに捧げる一曲(+/#)
 不詳:トリスターノの嘆き(*/+)

フィリップ・ピエルロ(リラ=ヴァイオル(*))
ドゥルバ・ゴーシュ(サーランギー(+)、歌(#))
ニティランジャン・ビスワス(タブラ(+))
ロセリーネ・シンプレラーレ(タンプーラ(+))

イングランドあるいはスコットランド出身、職業軍人としてスウェーデンとロシアの軍隊で将校を務めた「ヒューム大佐」ことトバイアス・ヒュームは優れたアマチュア音楽家でもあり、ヴィオルの名手として活躍、リラ=ヴァイオル(小型のヴィオラ・ダ・ガンバ)のための作品集を2巻出版しました。彼の作風は非常に個性的で、しばしば異常であるとも評されるほどでした。フィリップ・ピエルロが圧倒的な演奏で聴かせます。
このアルバムではヒュームがインドを旅し去っていくという架空の設定がなされており、後半では北インドの代表的擦弦楽器サーランギーの名手ドゥルバ・ゴーシュが登場。打楽器タブラとシタールに似た楽器タンプーラを従えて「川辺の日の出」を演奏、「死」はピエルロのソロに即興的に絡みながら切れ目なく「ヒュームに捧げる一曲」へと続き、ここでは歌も披露、さらに続いて中世ヨーロッパの名曲「トリスターノの嘆き」へとなだれ込み怒涛のコラボレーションで幕を閉じます。
英語のブックレット付きですが楽曲の解説は収録されておりません。


FLORA 1106
真珠の涙 17世紀前半、ローマのハープ音楽
 不詳:スパニョレット/トッカータ/ラ・モニカ/ガリアルダ/サルタレッロ
 ジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643):
  トッカータ II/パッサカリアによるパルティータ
 不詳:マントヴァのアリア
 ジョヴァンニ・バッティスタ・フェッリーニ(1600-1674):トッカータ
 ジローラモ・フレスコバルディ:
  バレット/バレットのコッレンテ/聖体奉挙のためのトッカータ
  チャッコーナの様々なパルティータ[Ciaconna in partite variate]
 不詳:チャコーナ
 ジローラモ・フレスコバルディ:トッカータ VIII/パッサカリア
 不詳:ルッジェーロ/フィレンツェのアリア/大公のバッロ/ファヴォリータ

ジョヴァンナ・ペッシ(アルパ・ドッピア[バロック・ダブルハープ])
エドゥアルド・エグエス(テオルボ、ギター)

録音:2006年8月、ベルギー、ブラ=シュル=リエンヌ

スイスのバーゼルに生まれたジョヴァンナ・ペッシは7歳でハープを弾き始め、13歳のときに1800年エラール製のハープに出会ったことからピリオド楽器に目覚め、オランダのハーグでエドワルト・ウィッツェンブルグに、バーゼルのスコラ・カントールムでハイドルン・ローゼンツヴァイクに師事、さらにトロッシンゲン州立音楽大学でロルフ・リスレヴァンにダウランドからJ・S・バッハに至るリュート音楽の語法を学びました。
収録されている作曲者不詳の楽曲はキージ写本に収められたものです。


FLORA 1206
音楽の情熱
 ウィリアム・ローズ
(1602-1645):ハープ・コンソート組曲集
  ハープ・コンソート組曲ト短調(*)
  リラ・ヴァイオル独奏練習曲集ト長調(+)
  ハープ・コンソート組曲ニ短調(*)
  リラ・ヴァイオル独奏練習曲集ト短調(+)
  ハープ・コンソート ト長調(*)
  リラ・ヴァイオル独奏練習曲集ニ短調(+)
  ハープ・コンソート ト長調(*)

ソフィー・ゲント(ヴァイオリン(*))
ジョヴァンナ・ペッシ(ハープ(*))
エドゥアルド・エグエス(テオルボ(*))
フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ(*)、リラ・ヴァイオル(+))

録音:2006年8月、ベルギー、ブラ=シュル=リエンヌ

ウィリアム・ローズは、熱心な王党派の一員としてピューリタン反乱軍と戦い命を落とした作曲家。兄ヘンリー・ローズが声楽曲のみを作曲したのとは対照的に他分野にわたり数多くの作品を残し、なかでもコンソートのための器楽作品が重要とされています。ここではフィリップ・ピエルロのヴィオラ・ダ・ガンバを核としたコンソートが、その真髄を響かせます。ヒュームのアルバム同様、ピエルロが聴かせるソロ楽曲も圧倒的です。楽曲解説完備のブックレット付き。


FLORA 1307
ノルウェーのアーベル
 トマス・ロビンソン(活躍:1589頃-1609頃):鐘による20のウェイズ
 ベイアルン伝承曲:結婚行進曲
 フェリーチェ・ジャルディーニ(1716-1796):アンダンテ−ロンド・グラツィオーソ
 オイスタイン・ニルソンのフッラスラーグ
 シリ・デュヴィークのスプリンガル
 クヌート・ハムレのハルダンゲル・ルール
 カール・フリードリヒ・アーベル(1723-1787):アレグロ
 ヨハン・カスパル・フェルディナント・フィッシャー(1656-1746):ロンド
 ウィリアム・ブレイド(1560-1630):スコットランド舞曲
 不詳:I can not keepe my wife at howme / Home again, Market is done
 不詳:Cuperaree
 不詳:妖精の仮面
 ヨハン・マッテゾン(1681-1764):Felsenlied unsichtbarer Geschöpffe
 J・S・バッハ(1675-1750):ガヴォット I&II
 カール・フリードリヒ・アーベル:アルペッジョ−アダージョ−アレグロ
 ヴォス伝承曲:ノッリンゲン
 ハリングダール伝承曲:ファニトゥレン
 セテスダールのヴィーダル・ランデのガンガル:ゴルラウス

ニルス・オークラン(ハリングフェレ)
エリーザベト・ザイツ(ティンパノン)
フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)

録音:2007年9月、ベルギー、ブラ=シュル=リエンヌ

ドイツの作曲家で音楽史上におけるヴィオラ・ダ・ガンバの最後の名手カール・フリードリヒ・アーベルが北欧ノルウェーを旅し、民俗楽器奏者と交流するという「架空の旅」シリーズ第2弾(第1弾は「ヒューム大佐のインドへの旅」;FLORA 1006)。今回のゲストはハリングフェレ(ハルダンゲル・フィドル)の名手ニルス・オークラン。透明で冷涼な空気感の漂う中、穏やかに楽しげに繰り広げられる音楽の語らい。ティンパノン(真鍮弦を2つのヘラのようなもので叩く卓上琴)が二つの弦楽器の仲をとりもつかのように彩を添えて。例によってブックレット無しのパターンですが、理屈抜きでご堪能いただけること請け合いです。


FLORA 1507
マラン・マレ(1656-1728):シャリヴァリ
  ヴィオール曲集第3巻(1711)
   組曲ト長調/組曲ハ短調/組曲ニ長調

フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ[ソロ](*))
ライナー・ツィパーリング(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
モード・グラットン(チェンバロ)
エドゥアルド・エグエス(テオルボ、ギター)

録音:2007年7月25-27日、ベルギー、ブラ=シュル=リエンヌ
使用楽器:1718年、バラク・ノーマン製(*)

RICERCARレーベルでマレのヴィオール曲集全曲録音を目指しながら中断の憂き目に遭ってしまったピエルロが、FLORAで録音を再開しました。FLORAからは『音階』(FLORA 0603)に続く2枚目のマレとなります。アルバム・タイトルにもなっている曲「シャリヴァリ」は「どんちゃん騒ぎ」といった意味で、プログラムの最後を飾っています。


FLORA 1607
モーツァルト(1756-1791):
  ピアノ四重奏曲ト短調 K.478
  ピアノ四重奏曲変ホ長調 K.493

ボヤン・ヴォデニチャロフ(フォルテピアノ)
寺神戸亮(ヴァイオリン)
フランソワ・フェルナンデス(ヴィオラ)
ライナー・ツィパーリング(チェロ)

録音:2007年10月10-13日、ベルギー、ブラ=シュル=リエンヌ

なんとヴァイオリンに寺神戸亮を迎えた充実の四重奏。


FLORA 1709
モンテヴェルディタンクレディとクロリンダの戦い
 クラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643):
  タンクレディとクロリンダの戦い(トルクァート・タッソ作
   「解放されたエルサレム」より抜粋されたテキストによる音楽劇;
   マドリガーレ集第8巻(1624)から)(*)
 アレクサンダー・ゲール(1932-):
  モンテヴェルディのマドリガーレ「タンクレディとクロリンダの戦い」による
  クラリネット独奏のためのパラフレーズ(1969)(+)
 パオロ・クアリャーティ:
  アモールの忠節の車(ピエトロ・デラ・ヴァッレの台本による小オペラ;1611)(#)

アドリアナ・フェルナンデス(ソプラノ;クロリンダ(*)、アモール、名声(#))
フアン・サンチョ(テノール;タンクレディ(*)、アポロン、アリオン(#))
フリオ・ザナージ(バリトン;語り手(*)、オルフェウス(#))
ジャン=フランソワ・ヴェルディエ(クラリネット(+))
レ・サックブーティエ
 ジャン=ピエール・カニャック、マリー・ガルニエ・マルズッロ(コルネット[ツィンク])
 ダニエル・ラサル(テナーサックバット) シルヴァン・デルヴォー(バスサックバット)
 クリスティーヌ・パユー(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 マティアス・シュペーター(アーチリュート、キタローネ)
 ヤスコ・ブヴァール(オルガン、チェンバロ)

かつてレ・サックブーティエ・ド・トゥールーズと名乗っていた、コルネット(ツィンク)の名手ジャン=ピエール・カニャックが主宰するフランスのコルネット&サックバット・アンサンブル、レ・サックブーティエがフローラ・レーベルに登場。「タンクレディとクロリンダの戦い」では弦楽パートがコルネットとサックバットで演奏されており、これが新鮮なだけでなくたいへんリアル。歌手陣の力演も相まって、インパクト抜群の名演となっています。
間奏曲的に置かれたドイツの現代作曲家ゲールの作品に続いて収録されているのは、モンテヴェルディと同時代のイタリアの作曲家クアリャーティ(キオッジャの貴族出身でローマで活躍した作曲家・官吏)の代表作「アモールの忠節の車」。四旬節前の祝祭にローマの市街において山車(だし)の上で上演された作品で、当盤では小オペラと表記されていますが、実際にはマドリガーレ風音楽劇というべきものです。
ブックレットにはフランス語の解説およびイタリア語の原歌詞とフランス語訳のみ記載されており、英語はございません。


FLORA 1809
ジョン・ジェンキンズ(1592-1678):満ち足りた眠り
 トレブル、リラ、バス・ヴァイオルとチェンバロのためのエア集

  パヴァン,アルマン,コラント,サラバンド(*/#)/ソナタ(**)
  エア,クラント,サラバンド(*/#)/ファンタジー,エア,クラント(**)
  5つの鐘(*/#)/パヴァン(*)/エッコ・コラント(*/#)
  ファンタジー,アルマン,コラント(**)
  アルマン,コラント,サラバンド,満ち足りた眠り(+/#)

ソフィー・ジェント(ヴァイオリン)
フィリップ・ピエルロ(リラ・ヴァイオル(*)、ヴィオラ・ダ・ガンバ(*以外))
ロミーナ・レシュカ(リラ・ヴァイオル(+)、ヴィオラ・ダ・ガンバ(+以外))
フランソワ・グェリエ(チェンバロ(#)、オルガン(**))

録音:2008年10月16-18日、バス=ボドゥー教会(ベルギー)

イングランドの作曲家ジョン・ジェンキンズはウィリアム・バード(1543-1623)の時代からヘンリー・パーセル(1659-1695)の時代まで長きにわたって活躍し、特にヴァイオル・コンソートの分野に多数の優れた作品を残しました。
ソフィー・ジェントはハーグ王立音楽院で寺神戸亮に師事したオーストラリア生まれのヴァイオリニストとして日本の古楽ファンにはもうお馴染み。ジェントとフィリップ・ピエルロは、ジェンキンズの友人だった作曲家ウィリアム・ローズ(1602-1645)のハープ・コンソート組曲集のCD(FLORA 1207)でも共演していました。アルバムを通して、精緻なアンサンブルに知的な即興性を織り込んだ格調高い演奏を堪能できます。


FLORA 1909
(2CD)
フランソワ・フェルナンデス、最良のパートナーを得てついに録音!
 J・S・バッハ
(1685-1750):ヴァイオリンとチェンバロのための6つのソナタ
  ヴァイオリンとチェンバロ・コンチェルタントのためのソナタ
   第1番ロ短調 BWV1014/第2番イ長調 BWV1015/第3番ホ長調 BWV1016
   第4番ハ短調 BWV1017/第5番ヘ短調 BWV1018/第6番ト長調 BWV1019
  ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 BWV1021(*)

フランソワ・フェルナンデス(ヴァイオリン)
バンジャマン・アラール(チェンバロ)
フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ(*))

録音:2009年2月8-11日、ボーフェ教会(フランス)
使用楽器:
 1670年、クレモナ、アンドレア・グァルニエーリ製(ヴァイオリン)
 アントニー・シドニー製(モデル:1740年頃、ゴットフリート・ジルバーマン製)(チェンバロ)
 1625年、トマス・オールレッド製(ヴィオラ・ダ・ガンバ)

当レーベルのベストセラーである「無伴奏ソナタ&パルティータ集」(FLORA 0402, 0403)から7年、フランソワ・フェルナンデスがついに録音に踏み切った「伴奏付きソナタ」。チェンバロ・パートがたいへん重要なこれらの作品の録音にあたって彼が組んだのは、1985年生まれという若さにして「レオンハルト以来最高のバッハ弾き」とも称されるフランスの逸材バンジャマン・アラール。チェンバロ一台とは思えないほど多彩な音響を生成するそのテクニックは驚異的で、左手はときにヴィオラ・ダ・ガンバを弾いているようにすら感じさせます。そして、求めていたものがおそらくすべて整えられた上で自由自在に語り歌い踊るフェルナンデスのヴァイオリン。「無伴奏」では孤高の求道者を思わせた彼が、ここでは凛々しい天使のよう。フィリップ・ピエルロは最後の1曲のみの参加ですが、がらりと雰囲気を変えてしまうところはさすがです。


FLORA 2009
明暗−カラヴァッジョの後に続いて 17世紀イタリア音楽における光と影
 タルクイニオ・メールラ(1595-1665):愛の竪琴にのせて(1633)(*)
 アンドレア・ファルコニエーリ(1585-1656):
  サタンの娘婿、バラバソの戦い(1650)
 クラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643):主をたたえよ(1640)(*)
 ジョヴァンニ・バッティスタ・フォンターナ(1589?-1630?):ソナタ第11番(1641)
 クラウディオ・モンテヴェルディ:西風が戻り(1632)(*)
 ダリオ・カステッロ(?-1630?):カンツォン第1番(1644)
 クラウディオ・モンテヴェルディ:愛の手紙(1619)(*)
 ダリオ・カステッロ:カンツォン第12番(1644)
 イグナツィオ・ドナーティ(1612-1638):おお、栄光の聖母よ(1626)(*)
 ジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643):カンツォン「ラ・ビアンキーナ」(1628)
 クラウディオ・モンテヴェルディ:私は主に感謝する(1640)(*)

アドリアナ・フェルナンデス(ソプラノ(*))
レ・サックブーティエ
 エレーヌ・メドゥス(ヴァイオリン) ジャン=ピエール・カニャック(コルネット[ツィンク])
 ダニエル・ラサル(サックバット) グイード・バレストラッチ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 マティアス・シュペーター(アーチリュート、キタローネ) ヤスコ・ブヴァール(オルガン)
 ロラン・ル・シュナデク(ドゥルツィアン) フロラン・ティセイル(打楽器)

徹底した写実と劇的表現でバロック絵画に革新をもたらしたイタリアの巨匠カラヴァッジョ(1571-1610)。このアルバムでは、彼が駆使した光の明暗の効果を、続く時代の音楽の中に見い出していきます。音楽史におけるカラヴァッジョ的存在と言ってもよさそうなモンテヴェルディのマドリガーレを中心に、同時代作曲家の器楽作品を交えた構成で、演奏テクニックは抜群。前作「タンクレディとクロリンダの戦い」(FLORA 1709)に続く共演となるアドリアナ・フェルナンデスのソプラノとジャン=ピエール・カニャックのコルネットの掛け合いが特に聴きものです。
ブックレットにはフランス語の解説およびイタリア語の原歌詞とフランス語訳のみ記載されており、英語はございません。


FLORA 2110
セヴィニエ夫人のためのコンサート
 不詳:
  ああ、良き日ふたたび[Ah! quand reviendra-t-il](*)
  若きイリス(*)/サラバンド(*)/シャコンヌ(*)
 ジャン=バティスト・リュリ(1632-1687)/
  ロベール・ド・ヴィゼ(1650頃-1725頃)編曲:
  バレエ「アムールの勝利」(1681)より アポロンの入場(++)
 不詳:シンフォニー(*)/サラバンド(*)
 ゴーティエ:レシ(#)
 ジャック・オトテール(1674-1763):2つの高音楽器のための組曲第2番(**)
   荘重な二重奏曲(均等八分音符)/アルマンド/ロンド、愛情、雉鳩
   ロンド/ジグ/パサカーユ
 リュリ/編曲者不詳:オペラ「ペルセ」(1682)より
   ああ、愛は何と不安を招くことか[Ah que l'amour cause d'Alarmes](+)
 マラン・マレ(1656-1782):メヌエット−ガヴォット(*)
 不詳:ゴーティエ氏の喜び(+)
 リュリ/編曲者不詳:
  オペラ「アマディス」(1684)より フルートによる魅惑のためのシンフォニー(+)
  オペラ「アルミード」(1686)より アルミードの眠りの前奏曲(+)
 不詳:カナリー(#)
 マラン・マレ:(##)
  前奏曲/アルマンド=ドゥブル/クラント=ドゥブル/サラバンド
  ガヴォット/ジグ
 不詳:シンフォニー(*)/パサカーユ(*)

出典:
  (*)Trio de la Chambre Tome Premier(フランス国立図書館、RES 1397)
  (+)Recueil de Plusiers belles pieces de Symphonie...1695
   (フランス国立図書館、RES F.533)
  (#)Trio//de//Mr Gautie(r)(フランス国立図書館、RES 1536)
 (**)Premièr suite de pièces, à deux dessus, sans basse continue pour
    les flûtes traversières, flûte &aagrave; bec, violes...Paris, 1712
 (++)Vaudry de Saizenay写本(ブザンソン市立図書館)
 (##)Panmure写本(エジンバラ、スコットランド国立図書館)

マルク・アンタイ、ジョルジュ・バルテル(フラウト・トラヴェルソ)
エドゥアルド・エグエス(テオルボ)
フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)

録音:2009年9月、バス=ボドー教会(ベルギー)
使用楽器:
 アラン・ウェーマールス製(モデル:オトテール製)(フラウト・トラヴェルソ)
 ヤコプ・ファン・ヘースト製(テオルボ)
 1625年、トマス・オールレッド製(ヴィオラ・ダ・ガンバ)

セヴィニエ夫人ことセヴィニエ侯爵夫人マリー・ド・ラビュタン=シャンタル(1626-1696)は、子供たちに書き送った1500通を超える手紙により書簡文学の先駆者と称せられる人物。彼女の書簡は当時のフランス貴族の生活ぶりを伝える歴史資料であり、そこにはもちろん音楽に関する記述も見られます。
『若い人たちは、楽しむために小唄(シャンソン)に合わせて踊りました。これが今、宮廷で大流行しているのです。ある者は、カード遊びに興じ、ある者は、ヴェゼ、マレ、デコトー、フィルベールの美しいコンサートに耳を傾けました。そうこうしているうちに真夜中になり、結婚式がクレキ邸の礼拝堂で執り行われました。』(1696年2月3日、セヴィニエ夫人の手紙より、永田美穂 訳)
いかにも貴族的な、節度をわきまえながらも華のある愉悦の音楽。フィリップ・ピエルロが自ら通奏低音パートを補筆復元した楽譜を弾いた(#)は圧巻です。


FLORA 2210
アマランサス エール・ド・クール(17世紀フランス宮廷歌曲集)
 ニコラ・ヴァレ(1583頃-1642頃):前奏曲
 ジャン=バティスト・ベザール(1567頃-1617以後):
  Ou luis tu soleil de mon ame (*/+)/Beaux yeux qui voyes clairement (*/+)
 ニコラ・ヴァレ:ファンタジア(+)
 コンスタンティン・ホイヘンス(1596-1687):Quoi Clorinde (*/+)
 ニコラ・オトマン(1610頃-1663):バレ(#)
 コンスタンティン・ホイヘンス:Graves tesmoins (*/+/#)/セレナード(*/+/#)
 ニコラ・ヴァレ:イタリアのパッサメッツォによるファンタジア(+)/前奏曲(+)
 フランソワ・リシャール(1600頃-1650):
  Les yeux baignez de pleurs (*/+)/Amarante[アマランサス](*/+)
  Beaux yeux (*/+)
 ゴーティエ?:前奏曲(#)
 ミシェル・ランベール(1610-1696):
  Ah qui voudra desormais s'engager (*/+/#)
  Par mes chants tristes et touchants (*/+)/Vos mespris (*/+)
 バスティード氏:Arbres, rochers (*/+/#)
 ド・マシー氏(活躍:17世紀後半):シャコンヌ(#)
 デュビュイソン氏(1622/1623-1680/1681):
  ランベール氏の死に寄せる哀歌(*/+/#)

セリーヌ・シェーン(ソプラノ(*))
エドゥアルド・エグエス(リュート、テオルボ(+))
フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ(#))

録音:2010年5月、ブラ=シュル=リエンヌ教会(ベルギー)

2006年、2008年、2011年(予定)の「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」に参加、その美貌と美声で聴衆を魅了したベルギー生まれのソプラノ、セリーヌ・シェーンをソリストに迎えた極上の一枚。
ブックレットに歌詞(フランス語)が記載されていますが、解説はございません。


FLORA 2310
ラ・サクブート 初期バロックのサックバット音楽
 ザムエル・シャイト(1587-1654):ベルガマスカ(1622)
 ダリオ・カステッロ(1590-1644):
  ソナタ・コンチェルタータ集(1644)から 第4番/第3番/第16番
 アンドレア・ファルコニエロ(ファルコニエーリ;1585頃-1656):
  カツォーネ、シンフォニアとファンタジア集第1巻(1650)から
   パッサカリアとチャッコーナ
 タルクイニオ・メルラ(1594/1595-1665):
  教会用と室内用のカンツォーナまたはソナタ・コンチェルタータ集(1637)から
   チャッコーナ
 クリストバル・デ・モラレス(1500頃-1553)/パコ・ルビオ編曲(装飾):
  それでも女たちは呼ばわりつつ(1547)
 ディエゴ・オルティス(1510-1570):レセルカダス[リチェルカーレ](1553)
 ヨハン・ヘルマン・シャイン(1586-1630):音楽の饗宴(1617)から
   パヴァーヌ/ガイヤルド/クラント/アルマンド
 ハインリヒ・シュッツ(1585-1672):シンフォニエ・サクレ第2巻(1647)から
   そして神は起き上がり SWV356

ミシェル・ベケ(テナー・サックバット)
レ・サックブーティエ[トゥールーズ古楽金管アンサンブル]
 ジャン=ピエール・カニャック、マリー・ガルニエ・マルズッロ(コルネット[ツィンク])
 ダニエル・ラサル(アルト・サックバット、テナー・サックバット)
 ウィム・ベク(バス・サックバット) エドゥアルド・エグエス(テオルボ、ビウエラ)
 ヤスコ・ブヴァール(オルガン) ペドロ・エステバン(打楽器)

録音:2002年8月 前出:Ambroisie, AMB 9929

トロンボーンの前身楽器であるサックバットをトロンボーンの名手ミシェル・ベケが吹奏した話題盤が復活しました。ブックレット(フランス語、英語、ドイツ語、スペイン語)付き。


FLORA 2410
アンサンブル・クレマン・ジャヌカン登場!
ラブレー 汝の欲するところを行え、またはテレームの僧院

 ジョスカン・デプレ(1455-1521):Vive le Roy[王様万歳]
 クロード・ルジュヌ(1530-1600):Je boys a toy mon compagnon
 クレマン・ジャヌカン(1485-1558):Or viens ça mie Perette
 クローダン・ド・セルミジ(1494-1562):Hau, hau je boys
 ガブリエル・バタイユ(1575-1630):
  O que mesa que manjar! Quien quiere entrar?
 ギヨーム・コートレー(1530-1606):Grosse garce noire
 オルランドゥス・ラッスス(1532-1594):Lucescit lamo socii
 クレマン・ジャヌカン:Martin menoit son pourceau au marche
 オルランドゥス・ラッスス:La nuict froide et sombre
 アントワーヌ・ド・ベルトラン(1530-1581):Je vis, je meurs
 クレマン・ジャヌカン:La chasse[狩]
 ピエール・アテニャン(1494-1551):
  パヴァーヌとガイヤルド「Ferrareze」、クラント、トゥルディオン
 クレマン・ジャヌカン:La guerre[戦争](第1部)
 クレマン・ジャヌカン:La guerre[戦争](第2部)
 クローダン・ド・セルミジ:Le content est riche en ce monde
 ロイゼ・コンペール(1450-1518):Nous sommes de l'ordre de Saint Babouyn
 ジャン=ポール・パラダン[ジョヴァンニ・パオロ・パラディーノ]
  (活躍:1540-1560):リュート曲(詳細記載なし;朗読部分のBGM)

アンサンブル・クレマン・ジャヌカン
 ドミニク・ヴィス(カウンターテナー、ディレクター) ユーグ・プリマール(テノール)
 ヴァンサン・ブショ(朗読、バリトン) フランソワ・フォシェ(バリトン)
 ルノー・ドレイグ(バス)

レ・サックブーティエ
 ジャン=ピエール・カニャック(コルネット[ツィンク])
 フィリップ・ガンギレム(シャリュモー) ダニエル・ラサル(サックバット)
 ロラン・ル・シュナデク(ドゥルツィアン) ヤスコ・ブヴァール(オルガン)
 フロラン・ティセイル(打楽器)

ウジェーヌ・フェレ(ルネサンスリュート)

録音:2009年11月、ミュレ(フランス)、ニコラ・ダレイラック・ホール

レ・サックブーティエがドミニク・ヴィス率いるアンサンブル・クレマン・ジャヌカンを招いて繰り広げる音楽物語。フランス・ルネサンスを代表する人文主義者・作家フランソワ・ラブレー(1494頃-1553)の小説「ガルガンチュア物語」から抜粋されたテキストを中心に進行します。テレームの僧院は物語の舞台の一つで、「汝の欲するところを行え」はその僧院の唯一の規則。
朗読と歌唱の全テキストと解説を記載した全116ページ(フランス語のみ)のハードカバー・ブック仕様。

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