セデム(スペイン音楽学会)

CD 01
(DCD 106)
ホセ・デ・ネブラ(1702-1768):聖木曜日と死者のための聖務曲集
  聖木曜日のための第2の哀歌(1759)
  聖木曜日のための第2の哀歌(1764)
  フェルナンド4世とバルバラ・デ・ブラガンサの葬送のための聖務曲集(1758/1759)

ジュゼプ・ラモン・ジル=タレガ(指揮)
エスティル・コンセルタント

録音:1999年4月、バレンシア

ピリオド楽器使用。


CD 02
(DCD 107)
ロマン時代のサロンのピアノ
 サンティアゴ・デ・マサルナウ(1805-1880):
  グランド・ワルツの形式によるドリアーダの歌
   アランフェスの庭園で,ラ・グランハの庭園で,ヴェルサイユの庭園で,
   セント・クロードの森で,ハムステッドで,リッチモンド公園で
  3つのスケルツィーノ
 フアン・マリア・ゲルベンス(1819-1886):
  揺りかご(わが子のための歌)/歌詞のないロマンス
 マルティン・サンチェス・アリュ(1825-1858):シエラ・モレナ(カプリッチョ)
 アドルフォ・デ・ケサダ(1830-1880):打ち明け話 Op.17/打ち明け話 Op.18
 ダマソ・サバルサ(1835-1894):ビラボア(演奏会用ワルツ)
 フェデリコ・チュエカ(1846-1908):囚人の嘆き(ワルツ組曲)
 イサーク・アルベニス(1860-1909):キューバ狂詩曲 Op.66

アナ・ベガ・トスカノ(ピアノ)

録音:1999年10月、バレンシア


CD 03
(DCD 122)
カルロス・パティニョ(1600-1675):合唱作品集
  Celebrando a N.(ビリャンシコ)
  Oh admirable Sacramento(モテット)
  Pensamiento, no presumas(トノ)
  Sapientia aedificavit sibi domum(モテット)
  No puede amor(ビリャンシコ)
  シオンよ、救世主をたたえよ(セクエンツィア)
  Oiganme todos(ビリャンシコ)
  アヴェ・マリス・ステッラ(ヒムヌス)
  Las prisiones del temor(ビリャンシコ)
  サルヴェ・レジナ(アンティフォナ)
  Matizada flor del campo(ビリャンシコ)
  マニフィカト−グローリア・パトリ(カンティクム)

エミリオ・タブラウエ(指揮)
ラ・パルマ・デ・グラン・カナリア大学スコラ・カントールム室内合唱団
エルムト・ペルル(オルガン)

録音:2000年6-7月、グラン・カナリア、ラス・パルマス

ピリオド楽器使用。


CD 04
(DCD 129)
18世紀スペインのヴァイオリン
 カピリャ・レアル(王立楽団)のための音楽

 ホセ・デ・エランド(1720-1763):
  ヴァイオリン・ソナタ イ長調
  「さまざま鳥や動物の鳴き声が聞こえる春のアランフェス庭園」(1760)
  ヴァイオリンと通奏低音のためのトッカータ第7番ニ長調(1755頃)
 フランシスコ・クルセリェ(1702-1778):ヴァイオリン・ソナタ ニ長調(1760)
 フランシスコ・マナルト(1720頃-1759):
  ヴァイオリンと通奏低音のための室内ソナタ第6番ニ短調(1757)
 フアン・デ・レデスマ(1713頃-1781):
  ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ イ長調(1750頃)
 作曲者不詳:クンベ/ファンダンゴ

エミリオ・モレノ(ヴァイオリン)
ホセ・マリア・エルナンデス(チェロ)
エドゥアルド・マルティネス(チェンバロ)
フアン・カルロス・デ・ムルデル(ギター)

録音:2000年12月、バルセロナ

ピリオド楽器使用。グロッサ・レーベルでおなじみのエミリオ・モレノはスペイン音楽学協会の役員を務めている。スペイン・バロックのきわめて珍しいレパートリーを収めたたいへん貴重なアルバム。


CD 05
(DCD 130)
ホアキン・トゥリナ(1882-1949):ヴァイオリンとピアノのための作品集
  サンルカルの少女の詩 Op.28(1923)
  ヴァイオリン・ソナタ第1番 Op.51(1929)
  古典的変奏曲 Op.72(1932)
  ヴァイオリン・ソナタ第2番「スペイン・ソナタ」Op.82(1934)
  エウテルペ Op.93(1944)
  ナバラをたたえて Op.102(1945)

マヌエル・ギリェン(ヴァイオリン)
ルイス・レゴ(ピアノ)

録音:2000年12月、マドリード


CD 06
(DCD 165)
栄光の日と死の日
 ホセ・デ・トレス
(1670頃-1738):ルイス1世のためのミサとレクイエム
  ミサ・ルドヴィクス・プリムス・レクス・ヒスパニアールム
   (スペイン王ルイス1世のミサ)
  ミサ・デフンクトールム・アド・アクセクイアス・ルドヴィチ・プリミ・レジス
   (王ルイス1世の葬送のためのレクイエム)

エステリャ・エステベス、カルメン・ボテリャ(ソプラノ)
トニ・グバウ(カウンターテナー)
ジュゼプ・ピサッロ(テノール)
ヒロ・クロサキ(ヴァイオリン)
ジュゼプ・ラモン・ジル=タレガ(指揮)
エスティル・コンセルタント

録音:2001年9月、バレンシア

ピリオド楽器使用。


CD 07
(DCD 166)
マヌエル・カナレス(1747-1786):6つの弦楽四重奏曲 Op.1
  第1番ト短調/第2番変ホ長調/第3番ニ長調
  第4番ロ長調/第5番ニ長調/第6番ヘ長調

カンビーニ弦楽四重奏団

 ミゲル・シマロ、エヴァ=マリア・ロル(ヴァイオリン)
 ローター・ハース(ヴィオラ) ウルリケ・ミクス(チェロ)

録音:2001年11月、ドイツ、ヴァルダーバッハ

ピリオド楽器使用。


CD 08
(DCD 183)
クエンカ大聖堂の2つのオルガンのための音楽
 ペドロ・ホセ・ブランコ(?-1811):協奏曲第1番/協奏曲第2番
 フランシスコ・ホセ・オリバレス(1778-1854):
  ヴァース第8旋法(1807)
  賛歌「サクリス・ソレムニス」によるヴァース第8旋法(1808)
 フリアン・パハロン(1778頃-1811以後):2つのオルガンのための協奏曲
   (sobre el 7o responsorio de Reyes, Stella..., de Santiago Pradas;1807)
 ニコラス・ガリャルド(1805頃-1849頃):
  ヴァース第8旋法(1830)/協奏曲第8旋法(1831)
  古典的晩課のための協奏曲第8旋法(1831)

ハインリヒ・ヴァルター、ミヒャエル・フュルスト(オルガン)


CD 09
(DCD 201)
ヘスス・デ・モナステリオ(1836-1903):
  2つのヴァイオリンのための20の芸術的な練習曲

マヌエル・ギリェン、パブロ・スアレス(ヴァイオリン)

モナステリオはスペインのサンタンデルに生まれたヴァイオリニスト・指揮者・作曲家で、スペインにおける器楽音楽の発展に貢献、またヨーロッパ各地で演奏しました。


CD 10
(DCD 202)
ヘスス・デ・モナステリオ(1836-1903):ヴァイオリンとピアノのための作品集
  アルハンブラよさらば/シエラ・モレナ(アンダルシアのセレナード)
  メロディー/サロン用小幻想曲/さようなら(言葉のないロマンス)
  恋の熱病/夜想曲/スペイン民謡による国民的大幻想曲

マヌエル・ギリェン(ヴァイオリン)
マリア・ヘスス・ガルシア(ピアノ)

代表作「アルハンブラよさらば」ほか、モナステリオの名ヴァイオリニストぶりを想像させてくれる作品を集めたアルバムです。


CD 11
(DCD 223)
サンティアゴ・デ・マサルナウ(1805-1880):スペインの歌と表現的小品集
  スペインの国民的舞踊の特徴を備えた3つの歌 Op.17(1837);
   ボレラス,ティラナ,マンチェガス
  2つの特徴的な歌 Op.19;ポロ,サパテアド
  ホタ・アラゴネサ(1837)
  3つの表現的小品 Op.18(1837);前奏曲,スケルツォ,夜想曲
  固定観念(夜想曲)Op.22
  「真実らしからぬ、しかし事実である」Op.23 から 無言のバラード第1番(1845)

アナ・ベガ・トスカノ(ピアノ)

録音:2004年10月2-16日、ラグナ大学グァハラ校大ホール

マドリードに生まれ、ロンドンやパリでもピアニストとして活躍したマサルナウのピアノ作品集。


CD 12
(DCD 235)
ホセ・リドン(1748-1827):鍵盤楽器のためのソナタ集
  第35番ト長調/第36番ヘ長調/第37番ホ短調/第42番ト長調
  第43番ニ長調/第44番ト長調/第45番第8旋法/第46番ニ長調
  第47番第4旋法/第49番ホ短調/第50番ト短調/第51番変ロ長調
  第53番変ロ長調/第54番ニ長調

ソフィア・アンズワース(フォルテピアノ)

録音:2004年10月25-26日、スペイン、カナリア諸島テネリフェ、アウディトリオ小ホール
使用楽器:2002年、ワシントンにてズッカーマン製
      (モデル:1782年、アンドレアス・シュタイン製)

ホセ・リドンはサラマンカに生まれ、ボッケリーニ(1743-1805)と同時期にマドリードの王室礼拝堂・王立楽団で活躍した作曲家・鍵盤楽器奏者。収録作品は3種の手稿資料に伝えられ、2004年にスペイン音楽学協会より出版された54のソナタから選ばれています。
ソフィア・アンズワースは英国のマンチェスターに生まれ、1987年よりカナリア諸島のテネリフェを本拠に活動しているピアニスト。


CD 13
(DCD 227)
アンダルシアのロマン派&国民楽派のピアノ音楽
 オラリョ・モラレス・ウィルスクマン(1874-1957):マリーナ/郷愁
 ラモン・マリア・モンティリャ・ロメロ(1871-1921):
  アルバムの綴り 第2巻 Op.19(6曲)
 エドゥアルド・オコン・イ・リバス(1833-1901):
  アンダルシアの思い出(演奏会用ボレロ)/ラインの旅(幻想的練習曲)
  エチュード=カプリッチョ(左手のための)
 シプリアノ・マルティネス・リュッケル(1861-1924):わが故郷の歌
   カンシオン,ボレロ,サパテアド
 ラモン・マリア・モンティリャ・ロメロ:舟歌
 ホセ・マリア・ゲルボス・イ・ミラ(1870-1944):演奏会用アレグロ

ホセ・ルイス・カスティリョ(ピアノ)

録音:2005年8月30-31日、11月12日、12月16日、ラ・ラグナ大学グァハラ校大ホール


CD 14
(DCD 233)
アルベルト・デ・ラ・リバ(1912-1999):クリスマス・ラプソディ オルガン作品集
  フォンネグラ山(サルダナ)/ムセタ/美しい同伴者(サルダナ)
  聖母の子守歌/カンティレーナ/主題と変奏曲/パストラール
  凍りついた十二月/「御母の御子」によるグロサ/フム、フム、フム
  クリスマス・ラプソディ(カタルニャのビリャンシコによる)

ハインリヒ・ヴァルター(オルガン)

録音:2005年9月29日-10月3日、2006年7月7-10日、バルセロナ、聖ジェンマ聖堂
使用楽器:2003年、アシトレス・オルガン工房製

アルベルト・デ・ラ・リバはスペイン、カタルニャのラ・リバに生まれた作曲家・オルガニスト・指揮者で、神父。オルガン音楽の作風はフランク以来のフランス派の流れを汲んでいます。
ハインリヒ・ヴァルター(1959年生まれ)はフライブルク音楽大学、トゥールーズ国立音楽院等で学んだドイツのオルガニストで、1989年よりフライブルク音楽大学教授、2002年よりハイデルベルク・プロテスタント教会音楽大学教授を務めています。


CD 15
(DCD 241)
ペドロ・デ・アルベニス(1795-1855):
 ピアノと弦楽のための幻想曲、変奏曲と小ロンド集
  ベッリーニの「海賊」の動機によるピアノと弦楽四重奏のための幻想曲 Op.52
  ドニゼッティの「パリジーナ・デステ」の動機による
   ピアノと弦楽五重奏のための幻想曲 Op.55
  ベッリーニの「最後の思い」によるピアノと弦楽四重奏のための変奏曲 Op.58
  ベッリーニの「カプレーティとモンテッキ」の動機による
   ピアノと弦楽四重奏のための幻想曲 Op.59
  ピアノと弦楽四重奏のための小ロンド Op.62/同 Op.63/同 Op.64
  「すみれ」の動機によるピアノと弦楽四重奏のための小ロンド=カプリッチョ Op.64

バルバネラ・ブリス(ピアノ)
テネリフェ交響楽団の弦楽ソリストたち
 フアン・カルロス・ゴメス、ゴンサロ・カブレラ(ヴァイオリン)
 スヴャトスラフ・ベロノゴフ(ヴィオラ) ナオミ・バロン(チェロ)
 コンラド・フロレス(コントラバス)

録音:2006年7月5-6日、スペイン、カナリア諸島テネリフェ、アウディトリオ小ホール

ペドロ(・ペレス)・デ・アルベニス(・イ・バサンタ)は音楽家マテオ(・アントニオ・ペレス)・デ・アルベニスの息子としてスペイン、リオハ地方のログロニョに生まれ、パリで学んだ作曲家・ピアニスト・音楽教師。1830年、マドリード音楽院創設にあたって教授に任命され、スペインに近代的な鍵盤楽器演奏法と教育法を初めて導入した人物です。収録作品はいかにもパリで当時流行のオペラに触れたことをうかがわせます。なお、イサーク・アルベニスとの縁故関係は無いようです。
バルバネラ・ブリスは作曲者と同じログロニョ生まれのピアニスト。


CD 16
(DCD 242)
1903年の教皇自発教令を背景としたスペインのオルガン音楽
 ルイス・ウルテアガ(1882-1960):アレグロ・マエストーソ
 マルティン・ロドリゲス・セミナリオ(1871-1961):
  3つの間奏曲 から アンヘリカのメロディ,パストラール=スケルツォ
  讃歌「来たれ、創造主なる聖霊よ」によるグロサ
 ドミンゴ・マス・イ・セラカント(1870-1944):クリスマスのオフェルトリウム
 エドゥアルド・トレス・ペレス(1872-1934):
  イントロイトゥス/グラドゥアーレ(キリストは復活せり)
  オフェルトリウム(天は喜び)/聖体奉挙/コムニオ
 ホセ・マリア・ベオビデ(1882-1967):幻想曲
 ルイス・ウルテアガ:オルガンまたはハルモニウムのためのミサ第6番
 ヘスス・グリディ(1886-1961):バスクの主題による変奏曲

フアン・デ・ラ・ルビア(オルガン)

録音:2006年12月6、29日、スペイン、カナリア諸島グラン・カナリア、ガルダル、
    サンティアゴ・デ・ロス・カバリェロス教区教会

教皇ピウス10世が1903年11月22日に発した「Motu proprio (教皇自発教令)」は、教会音楽(聖楽 Musica Sacra)には演劇的効果は不要であり、グレゴリオ聖歌やパレストリーナのポリフォニー合唱曲のような音楽こそがふさわしいとしました。これは20世紀の教会音楽に大きな影響を与え、スペインでこの時期に世に出た作曲家たちは「モトゥ・プロプリオ世代」と呼ばれました。
フアン・デ・ラ・ルビアはスペイン、バレンシア地方のバル・デ・ウショに生まれ、モンセラト・トレント他に師事したオルガニストで、2005年よりカタルニャ音楽高等学校教授を務めています。


CD 17
(DCD 244)
ジュアン・バプティスタ・コメス[フアン・バウティスタ・コメス](1582頃-1643):
  聖体祭の踊り歌
   祭壇での初めの踊り,内庭回廊の休憩祭壇での祈祷(第1−第4),
   主祭壇での結び
  聖体の秘蹟のビリャンシコ
   エンデチャス(貴紳);ロマンセとリフレイン,トゥルル、トゥルル、ガレギニャ

ロドリゴ・マドリード(指揮)
カペラ・サエタビス
 ピラル・モラル、パトリシア・リョレンス、マリソル・ボウリョサ(ソプラノ)
 クリスティナ・ファウス、ヨランダ・リエラ(アルト)
 アルベルト・グァルディオラ、ヘスス・アルベス(テノール)
 アマデオ・リョリス(バリトン) ハビエル・ボイルス(コルネット[ツィンク])
 サルバドル・マルティン、ハビエル・マルトス(サックバット)
 オビディ・ヒメネス(ファゴット)
 フランセスク・バルデカブレス(オルガン、チェンバロ、副指揮)

録音:2006年12月4日、スペイン、カナリア諸島サンタ・クルス・デ・テネリフェ、
    アウディトリオ室内ホール

コメスはリェイダ大聖堂楽長、バレンシア司教座礼拝堂、バレンシア大聖堂、国王フェリペ3世の宮廷礼拝堂副楽長を務めた作曲家で、バレンシアにおいて複合唱形式を確立し、独自の形式によるビリャンシコを発展させました。
カペラ・サエタビスは、スペインの鍵盤楽器奏者・音楽学者であるロドリゴ・マドリードによって2000年に創設された古楽演奏団体です。


CD 18
(DCD 250)
エストレマドゥラ地方のピアノ音楽(20世紀終盤−21世紀初頭)
 エステバン・サンチェス(1934-1997):
  サン・フアン・デ・ラ・クルスのテキストによる3つの瞑想
  微風(マラガ)/ガルシア・ロルカへのソネット
  反射(アルカンタラ)/パウリタの小箱
 マヌエル・デル・バルコ(1938-):
  カプリッチョ
  3つの小品;ヘススのためのメヌエット,
   アントニアのための和やかな歌,マヌエルとニコラスのための喜ばしい歌
 エンリケ・ムニョス(1957-):涙の交換
 フランシスコ・ノベル・サマノ(1969-):鐘[Glocken]
 フアン・ペレス・リベス(1931-):エストレマドゥラの午後
 マリア・キンタニリャ(1979-):反射
 イルミナダ・ペレス・フルトス(1972-):回想
 ギリェルモ・イリアルテ(1973-):9つのナイーヴ画 から 第4,2,1曲

マヌエル・エスカランテ(ピアノ)

録音:2008年7月28-31日、マドリード王立高等音楽院マヌエル・デ・ファリャ・ホール

スペイン内陸南西部エストレマドゥラ(エクストレマドゥラ)地方出身または同地方に深い関わりを持つ作曲家たちを紹介するアルバム。マヌエル・エスカランテはメキシコのピアニスト。


CD 19
(DCD 251)
サラサーテ(1844-1908):ヴァイオリンとピアノのための作品集
  ミラマル Op.42/マラゲニャ Op.21 No.2/ハバネラ Op.21 No.2
  ロマンサ・アンダルサ Op.22 No.1/ホタ・ナバラ Op.22 No.2
  さようなら、わたしの山々(ソルチコ)Op.37/ビト Op.26 No.1
  ハバネラ Op.26 No.2/眠り Op.11/ホタ・アラゴネサ Op.27
  プライェラ Op.23 No.1/序奏とタランテラ Op.43

マヌエル・ギリェン(ヴァイオリン)
マリア・ヘスス・ガルシア(ピアノ)

録音:2008年6月27-28日、テネリフェ(スペイン、カナリア諸島)、アウディトリオ室内楽ホール

サラサーテの没後百年にあたって制作され、当レーベルとしては珍しくメジャー志向と思いきや、「ツィゴイネルワイゼン」が入らないなどやはりひとひねりあるアルバムでした。マヌエル・ギリェンは当レーベルにトゥリナとヘスス・デ・モナステリオの作品を録音しているマドリード生まれの中堅。


CD 20
(DCD 258)
ホアキン・ガルシア
 独唱と器楽のための聖体の秘蹟のトナダ、ビリャンシコ、カンタダ集
 ホアキン・ガルシア(1710?-1779):
  Ay! Que prodigio(ビリャンシコ;1763)(*)/Dejadmele dar(ビリャンシコ;1772)(*)
 フアン・プラ(1720頃-1775):
  フルート、ヴァイオリンと低音のためのソナタ ト長調(1772)
 ホアキン・ガルシア:
  Asombroso milagro(カンタダ;1757)(*)
  Ah, del rebano(トナダ;1735)(*)
  Quien ha visto cosecha(ビリャンシコ;1758)(*)
 フアン・オリベル・イ・アストルガ(1733-1830):
  2つのフルートと低音のためのソナタ第2番
 ホアキン・ガルシア:
  Tremendo Sacramento(カンタダ;1740)(*)
  Oh, Dios inmenso(カンタダ;1758)(*)
  Atencion que hoy empieza(カンタダ;1737)(*)
  Fuera, fuera(ビリャンシコ=トナダ;1737)(*)

オルガ・ピタルク(ソプラノ(*))
エスティル・コンセルタント
 マリサ・エスペランサ、フェルナンダ・テシェイラ(フラウト・トラヴェルソ)
 リナ・トゥル=ボネト(ヴァイオリン) ルト・ベロナ(チェロ)
 パブロ・ソピコ(ギター、テオルボ) ラウラ・プエト(チェンバロ)

録音:2008年3月、レケナ(スペイン)、プリンシパル劇場

ホアキン・ガルシアはバレンシア地方に生まれ、ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア(カナリア諸島)の礼拝堂楽長を44年にわたって務めた作曲家。


CD 21
(DCD 259)

(2CD)
アルベニス(1860-1909):
  組曲「イベリア」/「アルハンブラ」から ラ・ベガ
  「アスレホス」から 前奏曲/ナバラ

グスタボ・ディアス=ヘレス(ピアノ)

録音:2009年2月7-9、11-13日、サンタ・クルス・デ・テネリフェ(スペイン領カナリア諸島)、
    アウディトリオ、室内ホール

前回新譜のサラサーテに続き今回はアルベニス、ファリャ(次項)と、セデム・レーベルはスペインのメジャー作曲家も取り上げる路線に変更したのか、気になるところです。グスタボ・ディアス=ヘレスはサンタ・クルス・デ・テネリフェ生まれのピアニスト。


CD 22
(DCD 261)
ファリャ(1876-1946):ピアノ作品集
  ベティカ幻想曲(1919)/4つのスペイン風小品(1906-1908)
  クロード・ドビュッシーの墓碑銘のための讃歌(1920)
  ポール・デュカスの墓碑銘のために(1935)/ヴォルガの舟歌(1922)
  夜想曲(1896)/マズルカ ハ短調(1899)/歌(1900)
  アンダルシアのセレナード(1900頃)/セレナード ホ短調(1901)
  小人の行列(1901)/ワルツ=カプリッチョ(1900頃)
  演奏会用アレグロ(1903-1904)

グスタボ・ディアス=ヘレス(ピアノ)

録音:2009年7月29-31日、サンタ・クルス・デ・テネリフェ(スペイン領カナリア諸島)、
    アウディトリオ、室内ホール


CD 23
(DCD 267)
スペイン・ロマン派ピアノ音楽の巨匠たち
 ペドロ・ペレス・アルベニス(1795-1855):
  Il Edu Garaitú(古いバスクの主題によるピアノのための華麗な幻想曲)
 ペドロ・ティントレル(1814-1891):劇的幻想曲 Op.6
 フアン・マリア・ゲルベンス(1819-1886):マミタ(ハバネラ)
 マルティン・サンチェス・アリュ(1823-1858):モーロ人のため息/巡礼者
 マルシアル・デル・アダリド(1826-1881):ワルツ即興曲
 アドルフォ・デ・ケサダ(1830-1880):葬送行進曲
 ダマソ・サバルサ(1835-1894):田園風景 から
   スペインの祭,籠の中に,薄暗い木立ち,田園の朝,慎み深い農民
 ビセンテ・スロン(1871-1915):演奏会用アレグロ

ミゲル・アンヘル・カストロ(ピアノ)

録音:2009年7月25-26日、サンタ・クルス・デ・テネリフェ、カナリア諸島高等音楽院ホール

サルスエラばかりに注目が集まるスペイン・ロマン派音楽ですが、ピアノ音楽もショパンやリストらの影響を受けながら発展を遂げていました。これは聴く機会の少ない19世紀スペインのコンポーザー=ピアニストたちの作品を概観かつ堪能できるアルバムです。ミゲル・アンヘル・カストロはサンタ・クルス・デ・テネリフェに生まれ、ホアキン・ソリアノ(マドリード高等音楽院)、セルゲイ・ドレンスキー(モスクワ・チャイコフスキー音楽院)等に師事したスペインのピアニスト。


CD 24
(DCD 275)

(2CD)
マドリードのスペイン八人組のピアノ作品集
 サルバドル・バカリッセ(1898-1963):使者たち; ヘレナ/マケダ!/リア
 フリアン・バウティスタ(1901-1961):色彩; 白/紫/黒/黄/青/赤
 フリアン・ホセ・マンティコン(1895-1964):サーカス
   こおろぎのセレナード/悲しむ熊/蚊のワルツ
 ロドルフォ・アルフテル(1900-1987):
  静物/無窮動/昔のムニェイラ/前奏曲/フーガ
 エルネスト・アルフテル(1905-1989):楽しい行進曲
 フェルナンド・レマチャ(1898-1984):3つの小品
 ロサ・ガルシア・アスコット(1902-2002):小組曲
 グスタボ・ピッタルガ(1906-1975):バレエ「寝取られ男たちの巡礼祭」から
   序奏と情景/ソリタのロマンス−情景/巡礼者たちの入場
   シエラと聖具納室係の踊り
 フアン・バウティスタ:前奏曲/舞曲
 エルネスト・アルフテル:たそがれ; 城の古時計/子守歌/森の礼拝堂
 サルバドル・バカリッセ:「ドニャ・アハダの悲劇」から 魔女たちの踊り

アイノア・パドロン(ピアノ)

録音:2009年8月27-28日、2010年9月2日、テネリフェ(スペイン、カナリア諸島)、
    アウディトリオ、室内ホール

「スペイン八人組(Grupo de los Ocho)」は1930年代にスペインの首都マドリードで活躍した作曲家のグループ。国民楽派から新古典主義音楽に傾斜したため、フランス六人組になぞらえてこの名が付けられたのですが、スペイン内戦(1936-1939)によりメンバーはばらばらになってしまいました。(参考:Wikipedia「スペイン8人組」。)


CD 25
(DCD 271)
ホセ・エスパニョル(1700-1758):宗教的歌曲集
  甘美の泉に/山に/Adórote mi bien/おお、神秘のばら
  世界の純朴な農民たち/はい、はい、いいえ、いいえ、いいえ
  おお、すばらしい聖餐/陽をさえぎり、光を和らげよ
  私のキリスト、あなたを見たお方/癒しに/湾へ、船乗りたちよ
  皆で礼拝しよう/すべての国々/愛しのパロミタ

インガルツェ・アストゥイ(メゾソプラノ)
ネオカンテス
 ヘルマン・トレリャス・リエバナ(ビウエラ・デ・アルコ、リコーダー、ギター)
 ヘルマン・トレリャス・パス(チェロ、ビウエラ・デ・アルコ)
 パトリシア・モラ(オルガン) エンマ・メンド(オーボエ)

ヘルマン・トレリャス・リエバナ(指揮)

録音:2010年4月5-9日、ラス・ロサス・デ・マドリード(スペイン)、スタジオ・セザンヌ

ホセ・エスパニョルはスペイン、リオハ地方の町アロの聖トマス教会のオルガニストと楽長を務めた作曲家。


CD 26
(DCD 919)
祝福されたパラフォクス 17世紀新旧両世界間のポリフォニー
 ガスパル・フェルナンデス(1566-1529):
  Elegit eum Dominum(5声)/楽団のための(歌詞のない)小品(4声)
 フアン・グティエレス・デ・パディリャ(1590頃-1664):
  私の心は悲しむ[Tristis est anima mea](4声)
  ミサ「私は野の花」[Misa Ergo flos campi](8声二重合唱)
  De carámbanos el día viste(クリスマスのためのビリャンシコ;4声&6声)
  Serafines se despeñan(クリスマスのためのビリャンシコ;6声)
   Que tienes hermosa noche(クリスマスのためのビリャンシコ)
 エステバン・ロペス・モラゴ(1575頃-1641以後):
  主をたたえよ、しもべらよ[Laudate pueri Dominum]
   (クリスマスのための詩篇;7声とグレゴリオ聖歌斉唱)
  何を見たのか、羊飼いたちよ[Quem vidistis, pastores]
   (クリスマスのためのレスポンソリウム;4声)
  おお、大いなる神秘[O magnum mysterium]
   (クリスマスのためのレスポンソリウム;4声)
 フアン・ガルシア・セスペデス(1619-1678):Convidando está la noche
   (クリスマスのためのビリャンシコ=グアラチャ;5声&2声)

カピリャ・ニヴァリエンセ(声楽&器楽)
カメラータ・ラクネンシス(合唱)
カントリア・サン・ミゲル・デ・ラス・ビクトリアス(グレゴリオ聖歌斉唱)
フランシスコ・ホセ・エレロ(指揮)

録音:2010年8月21-23日、ボデガス・モンヘ(スペイン、カナリア諸島)、文化スペース

スペインの司教フアン・デ・パラフォクス・メンドサ(1600-1659)は当時「ヌエバ・エスパーニャ副王領(新スペイン)」と呼ばれていたメキシコにプエブラの司教兼巡察使として派遣され政治改革を行って人望を集め、現地政界で最大の影響力を持つに至った人物。フアン・グティエレス・デ・パディリャ(スペイン人)はパラフォクス司教時代のプエブラ大聖堂楽長を務めた作曲家。ガスパル・フェルナンデス(ポルトガル人)が彼の前任、フアン・ガルシア・セスペデス(メキシコ人)が後任にあたります。


CD 27
(DCD 276)
ホセ・パロミノ(1755-1810):
  2つのヴィオラを伴う6つの弦楽五重奏曲(1780)から
   第1番/第2番/第3番

オルナティ弦楽四重奏曲
 セルヒオ・マレロ、アドリアン・マレロ(ヴァイオリン)
 アドリアナ・イリエバ(ヴィオラ) カルロス・リベロ(チェロ)

ホセ・アルバルド(ヴィオラ)

録音:2010年6月、ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア・フィルハーモニー管弦楽団本部

モーツァルトより一年早く生まれ、ボッケリーニやハイドンの同時代人でもあるホセ・パロミノ。現在では知られざる存在と言えますが、18世紀後半のスペイン音楽において最も注目すべき作曲家の一人とされています。マドリードに生まれ、父フランシスコ・マリアノ・パロミノにヴァイオリンを、アントニオ・ロドリゲス・デ・イタ(1722-1787)に作曲を師事、15歳の若さで王宮礼拝堂楽団の第1ヴァイオリン奏者となりました。パロミノの弦楽五重奏曲は当時のヨーロッパの室内楽においても最高水準にあり、ハイドン、モーツァルト、ボッケリーニの同編成の作品との比較には非常に興味深いものがあります。


CD 28
(DCD 292)
アルベニス(1860-1909):歌曲集
  ベッケルの詩集(1888、マドリード)/6つのバラード(1888、マドリード)
  バルベリーヌの歌(1947、マドリード)/ネリーに(1896、パリ)
  あなたは永遠に去ってしまうのか、エレーヌよ(1896、パリ)
  6つの歌(1897、ブライトン)から あなたは私のものになる?,別離!
  それは愛(1897、パリ)
  ピエール・ロティの詩による2つの小品(1898、サンセバスティアン)
  2つの歌(1913、パリ)/4つの歌曲(1908、パリ)

カルロス・ハビエル・メンデス(テノール)
カルロス・ハビエル・ドミンゲス(ピアノ)

録音:2011年6月21日、アウディトリオ・デ・テネリフェ、サンタ・クルス・デ・テネリフェ、
     テネリフェ島、カナリア諸島、スペイン

メンデス、ドミンゲスはともにスペイン領カナリア諸島テネリフェ島生まれの演奏家。上記曲目の後の表示は(出版の年、場所)。


CD 29
(DCD 286)
スペインのピアノ四手連弾音楽(1830-1900)
 ジュゼプ・テオドル・ビラル(1836-1905):スケルツァンド
 ペドロ・ティントレル(1814-1891):
  ソナタ第5番イ長調/ソナタ第6番変ホ長調
  ソナタ第7番ヘ長調/ソナタ第8番ホ長調
 マルシアル・デ・アダリド(1826-1881):ソナタ ト長調
 ペドロ・ティントレル(1814-1891):
  ソナティナ第1番ト長調/ソナティナ第2番ヘ長調/ソナティナ第3番ヘ長調
 ペドロ・アルベニス(1795-1855):
  ヴェルディの「第一回十字軍のロンバルディア人」による幻想曲
 フェリペ・ペドレイ(1841-1922):ファウスト(狂詩曲)
 マルティン・サンチェス・アリュ(1821-1858):
  「悪魔の尻尾」の主題によるディヴェルティメント
 サンティアゴ・デ・マサルナウ(1805-1880):メランコリー

オリベル&ホセ・マリア・クルベロ(ピアノ)

録音:2010年7月、ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア音楽院コンサートホール、
     ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア、グラン・カナリア島、カナリア諸島、スペイン


CD 30
(DCD 298)
メロディー、ロマンスとノクターン チェロとピアノのためのスペイン音楽
 ヘスス・デ・モナステリオ(1836-1903):メロディー
 フアン・マリア・ゲルベンス(1819-1886):ロマンス
 エドゥアルド・ロペス・フアランス(1844-1897):初恋(ロマンス)
 クレト・マリア・ザバラ(1847-1912):劇的メロディー
 フアン・クレスポ・ブルセト(?-1924):メロディー
 フィデル・マヤ・バランダリャ(1859-1919):夜想曲
 コンスタンティン・デ・シロドヴィチ(19世紀後半):ゴンドラの歌/流れ星
 ヘロニモ・ヒメネス(1854-1923):ロマンス/カヴァティーナ
 ロヘル・ビリャル(1875-1937):ロマンス
 マヌエル・デ・ファリャ(1876-1946):メロディー/ロマンス

アンヘル・ガルシア・ヘルマン(チェロ)
ケネディ・モレッティ(ピアノ)

録音:2010年7月、マドリード王立音楽院コンサートホール、マドリード、スペイン

めったに聴く機会のないスペイン・ロマン派のチェロ作品を集めたアルバム。一般的に知られる作曲家はファリャのみ、他はかろうじてサルスエラ・ファンにヘロニモ・ヒメネスが知られているくらいでしょうか。しかしここで取り上げられた楽曲はいかにもロマンティックな佳品揃い。チェロを演奏される方々にもお勧めしたい一枚です。アンヘル・ガルシア・ヘルマンはスペイン国立放送交響楽団ソロ首席奏者、マドリード王立音楽院チェロ科教授を務めているチェロ奏者。情熱に走り過ぎない演奏はドイツの血が入っているからかもしれません。ケネディ・モレッティはブラジル出身のピアニスト。


CD 31
(DCD 309)
新イスパニアの楽師たち プエブラ大聖堂写本19番所収の音楽
  [カンシオン、ビリャネスカとマドリガル I]
 フィリップ・ロジエ(1561頃-1596):
  5声のカンシオン(ff.99v-101r)/5声のカンシオン(ff.105v-107r)
 オルランドゥス・ラッスス(1532-1594):5声のシャンソン(ff.109v-111r)
 フィリップ・ロジエ:5声のカンシオン(ff.98v-99r)
 不詳(16世紀):4声のマドリガル「Occhi miei」
 クレマン・ジャヌカン(1485頃-1558):シャンソン「Batalla」(ff.81v-84r)
  [ベルソ(ヴェルスス)]
 ヒル・デ・アビラ(確認できる活躍期:1574-1597?):
  5声のベルソ第6旋法(ff.38v-43r)
  [モテット]
 フランシスコ・ゲレロ(1528-1599):
  5声のモテット「Pie pater Hieronyme」(ff.118v-120r)
  4声のモテット「Iste Sanctus」(ff.128v-130r)
  4声のモテット「Gloriose confessor」(ff.132v-134r)
  4声のモテット「Sancta Maria sucurre」(ff.122v-124r)
 不詳(16世紀):5声のモテット「In sole」(ff.150v-151r)
  [ベルソ]
 ヒネス・マルティネス(・デ・ガルベス)(確認できる活躍期:1633-1668):
  4声のベルソ第1旋法(ff.151v-152r)
  [カンシオン、ビリャネスカとマドリガル II]
 ロドリゴ・デ・セバリョス(1525頃-1581):
  4声のビリャネスカ「Díme, manso viento」(ff.145v-146r)
 ペドロ・リモンテ(1565-1627):
  4声のカンシオン「Mi ausencia」(カンシオン第6番)(ff.72v-73r)
  4声のカンシオン「En este fértil monte」(カンシオン第1番)(ff.65v-66r)
 フランシスコ・ゲレロ:
  4声のビリャネスカ「Adiós, verde ribera」(ff.139v-140r)
 フアン・ナバロ(1530頃-1580):
  4声のマドリガル「Sobre una peña」(ff.84v-86r)
 ペドロ・ゲレロ(1520頃-1586以後?):
  4声のマドリガル「Por dó caminaré」(ff.146v-147r)
  [ベルソ]
 ヒル・デ・アビラ:4声のベルソ第6旋法(ff.31V-36r)
  [イムノ(ヒムヌス)]
 エルナンド・フランコ(1530頃-1585):
  4声のイムノ「Monstra te esse Matrem」(ff.54v-55r)
  4声のイムノ「Arbor decora」(ff.55v-57r)
 ロドリゴ・デ・セバリョス(1525頃-1581):
  5声のイムノ「Nobis datus」(ff.63v-65r)
  [ベルソ]
 不詳(16世紀):4声のベルソ第5旋法(ff.28v-31r)
  [カンシオン、ビリャネスカとマドリガル III]
 不詳(16世紀):4声のカンシオン(ff.77v-81r)
 トマ・クレキヨン(1505-1557):
  5声のシャンソン「Je suis aymé」(ff.116v-118r)
  5声のシャンソン「Belle, donne moy」(ff.107v-109r)
 フィリップ・ロジエ:5声のカンシオン(ff.101v-103r)
  [ベルソ]
 エルナンド・フランコ:4声のベルソ第4旋法(ff.27v-28r)

アンサンブル・ラ・ダンスリー
 フェルナンド・ペレス・バレラ(コルネット[ツィンク]、サックバット、リコーダー、クルムホルン)
 フアン・アルベルト・ペレス・バレラ
  (チリミア、バホンシリョ、コルネット[ツィンク]、リコーダー、クルムホルン)
 ルイス・アルフォンソ・ペレス・バレラ(サックバット、リコーダー、クルムホルン)
 エドゥアルド・ペレス・バレラ
  (バホン[ドゥルツィアン]、バホンシリョ、チリミア、リコーダー、クルムホルン)
 マヌエル・ケサダ・ベニテス(サックバット)

録音:2012年11月19-22日、ハエン大聖堂参事会室、ハエン、スペイン

新イスパニア(ヌエバ・エスパニャ)とはメキシコシティに首都を置く副王が統治した新大陸スペイン領地域のこと。この地域にはスペインをはじめヨーロッパ人の楽師たちが送り込まれ、宮廷や教会での演奏を受け持ちました。彼らは地元民に主として管楽器を教え、現地の楽師を養成していきました。プエブラ(・デ・ロス・アンヘレス)は初代副王により1531年に建設された都市(現メキシコ、プエブラ州都)。16世紀後半には司教座が置かれ、1649年には大聖堂が完成、新イスパニアにおけるキリスト教の中心地となりました。プエブラ大聖堂が所蔵していた写本は当時の新大陸音楽を伝える貴重な資料。当盤では写本19番に収められた、スペインから持ち込まれたルネサンス音楽の管楽アンサンブル・ヴァージョンが取り上げられています。1998年に創設されたスペインのピリオド管楽器アンサンブル、ラ・ダンスリーのメンバーは校訂譜ではなく写本のファクシミリ版を見ながら演奏。スペイン系民族楽器を交え雰囲気豊かです。

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